親はどうすればいいのか
親だからこそ感情がこもり過ぎて声を荒げてしまっても仕方がありません。
反対に感情が入らないで怒っているんだかそうではないのかわからないような言い方、例えば、普通の顔をして普通のトーンで話すと注意は耳から耳へ抜けていきます。
感情を込めて、でも口から出る言葉の内容を変えればいいのです。
例1)子どもが勝手に親の許可を得ないでお菓子を食べたとき
一言、どすのきいた声で
「今、何をしている?」
すると子どもは伸ばしている手をさっと引っ込めます。
すかさず「そうだよね。わかっているよね」と言います。
例2) 子どもがスプーンで食器を叩いたとき
怖い声のトーンで
「食器は叩くものですか」
すると子どもは一瞬、叩くのを止めます。
すかさず「そうだよね。よく気が付いて止めることが出来たね」と褒めます。
これだけで頭から出る湯気、目の奥に燃える炎で子どもはただならぬ雰囲気を察します。
これで“怒っている”のではなく“叱っていること”になるのです。
更に「気が付いて手を引っ込めたね。食べたいのを我慢出来て立派だね」と褒めます。これで子どもの行動は改善されます。
「こら!」「だめ!」「いい加減にしなさい!」「なんでいつもそうなの!」「何度言ったらわかるの!」はNGです。
心の中では怒っていても口からは叱る言葉を出せばいいのです。
経験値の少ないママでもできます。これだったら簡単に出来ると思いませんか。
忘れてはならないこと
子どもの心に言葉が伝わるとその直後の態度は必ず改善されます。それなりに努力しているのです。
これを無視しないでタイミングを逃さずに鬼の形相からモナリザの微笑みになって「はい、きちんと片付けて頑張ったね」と認めてやりましょう。
これをうっかり忘れてしまう親がとても多いのです。
叱りっぱなしですと、せっかく改善されたのに元の木阿弥、態度は元に戻ってしまいますよ。
“頑張って気持ちのコントロールをしたらちゃんとママはそれを見ていてくれた”こんな気持ちを子どもに持たせることで躾もうまくいきます。