離乳食の遅れは“脳の発達”に影響も!?
それでは、離乳食のスタートを遅らせることで、アレルギー発症のリスクを下げることは本当にできるのでしょうか。
農学博士の山村淳一さんによると、「離乳食の開始を遅らせることでリスクをさげることはないと思います」とのこと。
『食物アレルギー診療ガイドライン2012』では、両親や兄弟に1人以上アレルギーを発症している「ハイリスク児」においても、支援ガイドに基づいて5~6カ月で離乳食を始めるとしています。
このスタート時期はあくまでも“目安”なので、この時期でなければダメ! ということではないそう。ただ、それが1歳を過ぎると、食事からとるはずの栄養素の不足や、母乳育ちの子供たちは特に「鉄不足」が心配されるといいます。
鉄は、脳(中枢陳系)の発達に大切な栄養素だというから見逃せません。
赤ちゃんは生まれて来るときに、お母さんから十分な鉄をもらってくるので、5カ月頃までは鉄が不足することはありません。
ちょうどその頃から始まるはずの離乳食の開始が遅れると、食事から鉄を摂取する機会や量が少なくなり、鉄不足や鉄欠乏による影響が心配に。
支援ガイドでも、「鉄は中枢神経の発達にも関与しているので不足しないように注意する」と記載されています。
また、赤ちゃんがおっぱいを飲む本能的な動き「哺乳反射」も5~7カ月にかけて弱くなり、スプーンを受け入れられるようになるそう。さらにその頃から、“食べたい”という意識も生まれ始めるので、離乳食を開始するには親にも赤ちゃんにも負担が少ない時期なのだといいます。
支援ガイドのスタート目安は、なんとも合理的な時期だったのです。