褒めすぎても褒め方による
前記のように、天狗になる、いい気なる、思い上がる、うぬぼれることは決して悪いことではありません。
けれども、他人と比較して褒めると、悪い意味で天狗な人、うぬぼれる人、思い上がる人に育ってしまうかもしれませんので、次のような褒め方はやめたほうがよさそうです。例えば…
- ×あなたは周りに比べて一番偉いね。
- ×周りのお友達はお行儀が悪いけれど、あなたはいつもマナーが出来ていていい子ね。
親が我が子を褒めるとき、心の中で「周りと比べてうちの子は出来る」と思うのは自然な感情なので構いません。けれども、それを口に出して子どもに伝えてはならないと思うのです。
どうしてかというと、周りと比較してほめちぎっていると、自分が二番手、三番手、またビリになったとき「自分は価値がないダメ人間だ」と思うようになってしまいます。
これを“もろく崩れやすい見せかけの自己肯定感”といいます。
周りはどうであれ「あなたは○○である」と認めてやりましょう。
将来、好かれる人になるかならないか
さらに幼いころに「周りと比べて偉い」という褒め方をして育つと、なんでも自分一人の力でなしえたと考える“鼻持ちならないヤツ”に育ってしまうかもしれません。
反対に周りと比較しないで育てられた人は、会社で出世したとき「みんなに比べて俺は偉い」という態度を決してすることはなく、「自分の成功はみんなのサポートがあったお陰だ」と考えることができます。結果、周りから信頼を得ることが出来ます。
幼い頃から周りとの比較する言葉をかけ続けていたら、大人になったとき「自信過剰で不愉快だ」と周りから疎まれてしまうかもしれません。
褒め方次第
周りと比べて評価することなく、その子自身のことを評価しましょう。是非、本人の一週間前と今を比べて褒めてやりましょう。
「一週間前は一人で靴下が履けなかったけれども、少しだけ履けるようになった」
「一ヶ月前はママに言われて『おはよう』と挨拶をしていたけれども、今は自分から挨拶が出来るようになった」
「歯磨きのチューブのふたを自分で締められるようになった」など。
子ども自身も自分の成長を感じることができます。
周りがどうであれ「自分は自分でいい、価値がある」と思えることって人生を切り開く上で大きな力になりますよ。