英語力獲得の近道とは?

日本、アメリカ、中国で英語教育に関わってきた船津さんの経験から言えることは、国籍や、人種に関係なく、高度な英語力を獲得する子どもの共通点は、「母国語で高い読書力」を持っていることなのだそうです。

遠回りのように思えるかもしれませんが、日本語で本好きに育てれば英語でも本好きに育ち、日本語で読解力が高ければ英語でも読解力が身につくというのです。

幼児期は、日本語の本の読み聞かせをたっぷりとしてあげましょう。

リーディング力の獲得方法

では、幼児期以降、どのように英語のリーディング力をつけていけばいいのでしょうか。

本書には、中1で英検1級に合格した女の子の例が載っています。

彼女が小学校に上がるまで、お母さんは特に英語を教えたり、英語で話しかけたりすることはありませんでした。幼児期にしたことといえば、英語の歌や物語など、ネイティブ英語をひたすら聞かせることと、日本語の絵本の読み聞かせだったといいます。

その後、小学校になってから、フォニックス(最近注目され始めている日本語の「かな五〇音」に該当するもの)で正しい英語の発音と、アルファベットを学び、簡単な英語の本から自分で読めるようになっていき、小5で『ハリー・ポッター』を原書で読むまでになりました。

お母さんのした主なことは、彼女が興味のありそうな本を見つけてくること。初めは本の内容を問わず、簡単で短いものでよいそうです。質より量で、リーディング力は鍛えられるのですね。

本当のことをいえば、何事でも上達するには地道な努力の継続が必須です。大切なのは、努力をいかに楽しんでできるか、ということではないでしょうか。

今回ご紹介したことは本書のほんの一部ですが、英語力上達のための思い込みが少しでもなくなるきっかけになれば幸いです。