リラックスできるのはどんなとき?

――そんな松岡さんが、リラックスできるのはどんなときですか? 佐々岡の場合はずっと音楽を聴いているので、音楽で癒されていると思うんですけど。

僕は本を読んでいるときか踊っているときです。

小さいときからダンスをやっているので、踊っているときは本当に無心で、気づいたら2、3時間経っていたりもするし、疲れ知らずなんです。

本も新刊を家で読み始めて、読み終えたときの鳥の声で朝になっていることに気づいたことがあって。

それぐらい没頭してしまいます。その時間は現実から離れられるし、イヤなことも全部忘れられるので、好きなんですよね。

今後も二刀流でやっていきたい

――これからのビジョンも聞かせてください。

映画やドラマなど映像の仕事もこれからはもっと挑戦していきたいし、やるからには、日本アカデミー賞などの賞が取れるような役者になりたいです。

ただ、舞台にも映像の仕事とはまた違った楽しさや魅力もあるので、今後も二刀流でやっていきたくて。

両者で自分の芝居の幅と感性をもっと広げていけたらいいなと思っています。

――アクション映画にも挑戦したいんじゃないですか?

芝居ができて動けるというのがやっぱりいちばんの理想ですよね。そのふたつをもっと求められるようになりたいです。

――ちなみに、松岡さんが好きな映画は?

僕、エドワード・ノートンが大好きなんです。『真実の行方』(96)というリチャード・ギアが主演した映画のエドワード・ノートンは最高でした。

二重人格の役なんですけど、人格が変わる瞬間の芝居が素晴らしくて、本当に感銘を受けました。

――松岡さんのそういうお芝居も見てみたいですね。

そうですね(笑)。いつか、そういうお芝居もやってみたいです。

映像作品への出演はまだまだ少ない松岡だが、圧倒的な身体能力と自分の演技プランをしたたかに実行する彼は本人もまだ気づいていないスキルを内に秘めているに違いない。

それこそ、今年の横浜流星がそうだったように、1年後には遥か上のフィールドで大活躍している可能性だってある。だから、いまのうちだ。

『いなくなれ、群青』の瑞々しい感性がほとばしる松岡広大を目に焼きつけておいた方がいいだろう。

映画ライター。独自の輝きを放つ新進の女優と新しい才能を発見することに至福の喜びを感じている。キネマ旬報、日本映画magazine、T.東京ウォーカーなどで執筆。休みの日は温泉(特に秘湯)や銭湯、安くて美味しいレストラン、酒場を求めて旅に出ることが多い。店主やシェフと話すのも最近は楽しみ。