2012年のデビュー後、様々なアニメ作品の主題歌を歌い、同時に作曲家としても優れた楽曲を次々に生み出しているZAQさん。
まさに、"テン年代(2010年代)"を代表するアニソン歌手の一人であるZAQさんの魅力はどこにあるのか。彼女の魅力に溢れた楽曲たちを振り返りながら探っていきます!
ユニークな出自を持つ"アニソン・シンガー・ソングライター"
2012年に放映された『中二病でも恋がしたい!』(京都アニメーション)のオープニング主題歌『Sparkling Daydream』でアニソンシンガーとしてのデビューを果たしたZAQさん。以降、歌手として様々なアニメ作品の主題歌を担当し、さらには作曲家として他アーティストへの楽曲提供も精力的に行っています。
そんなZAQさんを語る上で重要なポイントがユニークな出自。インターネット上で自作の歌唱音源を発表するアマチュアミュージシャン、所謂"歌い手"としての活動こそが、音楽家としてのスタート地点となっており、その当時に「ニコニコ動画」で歌ってみた作品にはまっていた人なら知る人も多いのではないでしょうか。
傑出した才能とセンスを持つクリエイターが突然、インターネット上から現れ、そして、その実力で一気にメジャーアーティストへの道を駆け上がる……そんなドラマティックなバックボーンもZAQさんの大きな個性であり、fhanaや鹿乃さんといった"ネット発"のバンドやシンガーが活躍するモダンなアニソンシーンの特徴を色濃く体現しています。
ZAQさんは、まさに、2010年代のアニメソングを象徴するミュージシャンの一人なのです。
ZAQサウンドの魅力は、"ミクスチャーロック"的な音作りにあり!
そんなZAQさんが生み出すアニソンの魅力とは何でしょうか?
その問いに対する回答として、真っ先に挙げたい音楽的特徴が、様々な音楽ジャンルを取り込み、そこに独自の感性を加えて再構築してみせる雑食的な楽曲構成……"ミクスチャーロック"的な音作りです。
ロック、パンク、スカ、R&Bにヒップホップ、テクノポップやドラムンベース、トランスなどなど、多様な音楽を融合させて生み出される"ZAQサウンド"は、いずれも個性的であり、アニメファンと音楽ファンの両者にアプローチできる完成度を誇っています。
そうしたZAQさんの強烈なオリジナリティーを体感する為に、先ず手に取っていただきたい作品が、2014年リリースのファーストフルアルバム『NOISY Lab.』です。
アニメ作品の主題歌として使用されていたシングル曲を軸に構成されたこの作品には、めくるめくような多様性を持つZAQさんの魅惑的な音楽世界が、そのまま真空パックされています。