プログラミング教育のねらい
プログラミング教育を導入するのは、プログラミングスキルを身につけるためではないと先に書きましたが、導入のいちばんの理由は、論理的思考を身につけ、情報活用能力を高めることです。
文部科学省は、プログラミング教育を導入することで、新学習指導要領のテーマである「知能および技能」「思考力、判断力、表現力」「学びに向かう力、人間性など」の育成を実現しようとしています。
さらには、創造力、プレゼンテーション力なども、プログラミング教育によって期待できる力です。プログラミングを書くだけでなく、完成したプログラムや作品を人前で発表する活動も伴うからです。
家庭での準備と親の心がまえ
基本的に、公立学校の場合は、自治体や学校で用意されたパソコンやタブレット型端末が貸与されるので、家庭で機材を購入する必要はありません。ただし、私立学校では、入学時に学校から指定されたパソコンを購入する場合があります。
また、教材費や事前準備についても、特に別途準備する必要はないでしょう。
子どもがプログラミングに興味を持ち始めたら、家庭でも環境を整えてあげるといいでしょう。
その際、1台のパソコンを家族で共有するとなると、ある程度ルールが必要になってきます。親が心がけるべきなのは、そういったルール作りのほか、子どものパソコンとの向き合い方をきちんと見守っていくことです。
インターネットは便利ですが、そのために怖い思いをすることもあるものです。情報を扱ううえでのモラル、SNSでのマナー、使用時間の制限など、ちゃんと時間を取って子どもと話すことが大切です。
まずは気楽にかまえて、楽しむことから
他の科目ならともかく、親がプログラミングを子どもに教えるのは荷が重い、と感じていませんか? ご安心ください。親が先生になる必要はありません。
親は、「子どもが関心をもってやっていることを、温かく見守る」だけでじゅうぶんなのです。もちろん、親自身も興味を持って、親子でプログラミングに挑戦してもいいですね。
ちまたには、スマホでゲーム感覚から始められる無料のプログラミングアプリが数多くありますから、そういったものを利用するのもオススメです。一方的に教えるのではなく、一緒に考えることで、子どもの主体性を損なうこともありません。
スクールには通わせるべきか迷った時は、子どもにやってみたいかどうか、聞いてみるのがいちばん早いのではないでしょうか。
2020年の導入に先駆けて、あせって通わせる必要はありません。何事も、無理にやらせて逆に嫌いになってしまう方が、リスクが高いと思います。
プログラミング教育という言葉に惑わされず、まずは新しいことを楽しむ気持ちを子どもに持たせてあげてくださいね。