コミュニケーション力を高める言葉がけを
親なら誰でも、「我が子にはいろんな人と仲良くなって、たくさん心許せる友達を作ってほしい」と思っているのではないでしょうか。
そのために必要なのは、コミュニケーション力。この力を育むのも、ふだんの言葉がけが重要です。
そのためには、たとえ間違った意見であっても、子どもが使った言葉を最初に使うことによって、子どもの脳に入る会話を行うこと、と林先生は言います。
例えば、子どもに予定外のおもちゃなどを「買って」とせがまれたとき。頭ごなしに「ダメ!」というのではなく、
「実はお母さんもあれを買ってあげたいと思っていたの。でも、今日はお金を持っていなくて……。ところで、あれ(子どもの得意な話題)はどうなったの?」
と、話題を切り替えると、「お母さんは自分のことをわかっている」と信頼を得られる上に、新しい情報に反応して気持ちもそれているので、「あれ買って~!」と暴れることもなくなる、というのです。
相手の脳に入る言葉を使うこの原理は、親子関係だけでなく、友人・恋人関係などにも通用するので、相手を思いやれるコミュニケーション力を持った子どもが育ちます。
林先生は、育脳において心がけたいこととして、「親も子どもと一緒に成長する」という考えを持つこと、としています。
「この子がいるから自分も立派な親になれる」と子どもに感謝して、尊敬することが大切だと。
親はつい自分の考えを押し付けたり、自分の価値基準で子どもを育てようとしたりしますが、子どもの脳が持つ可能性は無限大。育て方しだいで、親を超えることだってあるのです。
『3歳までの子育ての教科書』には、林先生ほか18名の子育てのプロが登場し、さまざまな角度から3歳までの子育て法について説いています。ぜひ参考にして、親子で共に成長していってくださいね。