家事をしないことにかけて、日本人男性は世界トップレベルという認めたくない調査結果があるようですが、なにもやりたくないからやらないわけではないようなのです。

黒川さんによると、男性脳は狩りをしていた頃の名残りで、半径3m以内で起こっていることにあまり興味が向かないという特性に加えて、女性の所作の認知が出来ないからなのだそう!

どうりで、こちらがキレてもきょとんとしているわけです・・・。

これが女性同士なら、食事が終わればどちらからともなく、片づけが始まり、食器を洗ったりしまったりがスムーズに行われるでしょう。ですが、男性の脳には、空気や気配を察知して望まれる行動を起こすことは難しいのですね。

暗黙の了解はないと知るべし

こちらの要求を黙って察してくれない相手に、毎回キーキー言うのは疲れます。

相手が変わってくれるのを待っていても日が暮れてしまいますから、こちらからアプローチの方法を変えてみる方がいいかもしれません。

男性に対して有効なのは、言葉で明確に伝えること、そしてわかりやすく言うこと、この2点です。

ともすれば女性は、結論や目的よりも、それに至るまでのプロセスから話しがちですが、こういった「なにが言いたいのかわからない」話し方こそ、男性がもっとも苦手なのですって。

遠回しな言い方をせずに、「何を」「どうやって」「いつまでに」やってほしい、ときちんと冷静に伝えれば、男性はそれほど嫌な顔をせずにやってくれるもの。ただし、感情的に言うのは逆効果。それでは、男性の耳には「お願い」ではなく、「おどし」に聞こえてしまいます。

また、男性のなかには、自分のタイミングでやることにこだわる人もいます。夫が「今見ている番組が終わったやる」などと答えても、「今すぐやってよ!」と逆上して返すのではなく、彼の言葉を信じて放置することも、争いを避けるためには必要です。

キャンペーンのススメ

ママが楽になるためには、ときにはキャンペーンを張ることも大事です。題して「ママはこんなに家事をやっているんだぞキャンペーン」!

男性の多くは、女性がしている家事の大半も把握していないもの、と黒川さん。たとえばゴミ出しは、女性にとってはゴミ捨て場にゴミ袋を運ぶだけの行為を意味しません。各部屋からゴミを回収し、指定のゴミ袋に入れ、といった具合に水面下でやることがたくさんありますよね。

世の中にはそういった細かい家事が存在すること、そしてそれをやっているのは誰なのかを、夫に知らしめることが、このキャンペーンの目的です。一日の始めに、これからやる家事を列挙するのも効果的です。

「今日は古紙回収の日だから、段ボール、古新聞をまとめ、洗濯機は2回回して、布団も干して、月曜だから子どもの保育園にお昼寝用の布団を持って行くからそれを自転車に積んで・・・」と自分のやること、もしくはやったことを、全部、余さずお知らせするのです。

それらを全部知ってもらえば、そのなかのひとつやふたつのタスクを夫にお願いしても、理解とともにやってくれるのではないでしょうか。

あなたの夫は、決して冷たいわけでも思いやりがないわけでもないのです。すべて脳のせいだ、と考えられたら、なんだかガッカリすると同時に、仕方ないかと思えてきませんか?

惹かれ合って一緒になった二人なのですから、情熱の炎の温度が下がっても、その炎を保ち続ける努力と工夫はしたいもの。そんなとき、本書はすごくヒントになると思いますよ。