すごいですよ。私も過去に何回かステージアラウンドでの作品を観たことがあるんですが、“すごいことを考えるなぁ”って、思いながら観ていました。

「客席が移動するなんて、気持ち悪くなっちゃったりしないの?」

って言う人もいるけど、全然そんなことはないんですよ。「え? 今、回ってる?」っていうくらい、回転しているのが全然わからないんです。だから、初めて来る方でも乗り物酔いとか、まったく気にしなくていいと思います。

客席が大きな円形で、『ウエスト・サイド・ストーリー』の世界観だと、円形の客席を360度取り囲む感じで、ニューヨークのある街を作り上げているんです。

ニューヨークの街中を、役者さんが歌いながら歩いて、ある場所からある場所へ、歩きながら行くみたいなシーンがあって。本当に街の中を移動している感覚で観られるんです。舞台なんだけど、映像を観ているような新しい感覚というか。

360度のステージをすごく活用できていて、それだけを観ていてもすごく感動しちゃうかもしれません。お芝居やミュージカルが苦手な人も、この劇場で『ウエスト・サイド・ストーリー』を観たら、すんなり世界観にひたれて、観やすいんじゃないかなと思います。

--舞台に立つ側の役者さんにとっては、360度の劇場の難しさなどあるのでしょうか?

舞台の袖がどこなのか混乱するとか、大変だというのは、過去に聞いたことがあります。

実際の舞台は、奥行きある舞台と、それとはまた違う奥行き感の舞台があって。1階から2階へ、階段を駆け上がりながら会話したりするシーンもあって、すごく立体的というか。

ちょうど「シルバニアファミリー」のお家のような!

--(笑)

「おおお!!」って、模型を観ているような、すごく立体感がある舞台なんです。私はすごく好きな空間です。過去にステージアラウンドの作品を観に行ったときは、自分がこのステージに立つことなんて、絶対にないと思っていたから。

『ウエスト・サイド・ストーリー』に出られると決まったときは、作品に出られることも嬉しかったけど、この劇場に立てることもさらに嬉しかったです。

--佐江ちゃんは、これまでにたくさんの劇場に立ってきたけれど、やはり特別ですか?

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