『アナと雪の女王』として、完璧な「正解」としての終わり方
私が『アナと雪の女王2』を初めて見て、最初に抱いた感想は、「なんて正しい終わり方なんだろう」というものでした。
エルサとアナの「これから」についてや、アレンデール王国の後継者問題や、クリストフとの結婚についても、とても綺麗な形で解決している。
こんなに正しい、正解のような終わり方を、見る前は全く想像して居ませんでした。
この物語では最初からずっと「エルサとアナは離れて暮らす」という結末が散りばめられていました。
冒頭のイドゥナ王妃の子守唄を聞いてすぐに眠ってしまったアナと、アナが寝た後、母親に抱えられながら、自身のルーツに繋がるアートハランの子守唄を最後まで聞いていたエルサ。
アナが落ち着いて寝息を立てることが出来るのはアレンデールという土地で、エルサの安息の地は窓の外、遥か彼方であるという暗示になっていると思いませんか?
その後に続く"Some Things Never Change" の「不変への祈り」は、どう考えても「変化」へのフラグです。
そしてエルサが自分のルーツを見つけ喜びに満ちた"Show Yourself" からの、アナの震えるような決意の"The Next Right Thing" 。
前作からずっとこの作品をを好きでいる人たちにとって今作は、変わらないものの愛しさを知りながら、姉妹の離別を感じさせ、エルサの喜びを、アナの変化を、受け入れながら結末を迎えることができます。
どこまでも美しく、そして丁寧でとても正しいストーリー展開になっています。
『アナと雪の女王』は、前作と今作を経て、ようやく完成したのです。
前作、短編だけでは、物語は完結しませんでしたし、逆に前作無くして今作の展開はありえないものです。
私は、姉妹の幸せは、いつも一緒にいて、アレンデールで末長く暮らしていくことだと思って居ました。
でもその考えは、姉妹ふたりの未知への可能性を否定した、勝手なものだったと気付いたのです。
私にも年齢が4つ歳の離れた仲のいい姉がいますが、住んでいる場所も違うし、好きなものも違います。
一緒にいたら楽しいけど、離れているからといって、私と姉が姉妹であることは決して揺るぎません。
家族って、そういうものじゃないですか。
だから、エルサの選択も、アナの未来も、誰かが望んで決めていいものでなかったのです。
どんなに離れていてたとしても、心が結ばれていれば何の心配もありません。