姉妹がいつまでも一緒にいられるという「幸せ」
以下『アナと雪の女王2』のネタバレ満載なのでご注意ください。
正直に言いますと、前作『アナと雪の女王』の終わり方については、「エルサがそれで良いなら良いよ! 」という感想しかなくて、不完全燃焼でした。
ですが、続編である『アナと雪の女王2』を見て、前作も含めた感想は全く違うものになりました。
前作にて引き裂かれた姉妹の絆は元に戻り、姉妹がお互いを想う「愛」によって雪と氷に閉ざされたすべてのものは解放されました。
アナは真実の愛がなにかを知り、エルサはそんなアナに触れることで、ようやくきちんと向き合うことが出来たのです。
前作の後、『アナと雪の女王 エルサのサプライズ』や『アナと雪の女王/家族の思い出』という短編が二本制作されています。
この二作品を見ると、前作ではあまり感じられなかった、「エルサは実は好奇心旺盛で頑固な性格」「アナは実は気遣いの出来る思いやりに溢れた女の子」であることがわかります。
そしてなによりも、お互いがお互いを、とても大切に思っていることが伝わってきます。
『アナと雪の女王/家族の思い出』の中で、"When We' re Together"(邦題「あなたといるだけで」)という曲があるのですが、この曲を『アナと雪の女王2』を見終わった後に聞くとすごい泣けるのでぜひ聞いてください。
この曲は、「どこであろうと、あなたと一緒にいれば、そこは大好きな場所になる」「どこにいたって構わない、あなたがそばにいてくれるなら」という果てしなくエモい歌詞の曲なんです。
一番近くにいるのに、一番そばにいられなかったエルサとアナが、失われた時間を取り戻すかのように「一緒にいられること」を喜び、歌います。
そして話は『アナと雪の女王2』に続きます。
エルサ、未知の世界にワクワクしすぎ問題発生
短編二作で、一緒に居られることの喜びを噛み締めていた姉妹ですが、その幸せは永遠には続きませんでした。
2019年の6月頃、『アナと雪の女王2』のティザーポスターやトレーラーが公開された時から、うっすらと、エルサとアナが離れ離れになる未来が予測できました。
そして映画公開の少し前、"Into the Unknown" の楽曲のみ公開されたとき、多くの人が感じたことだと思うのですが、エルサ、未知の世界にワクワクしすぎ問題。
そんな…お外にワクワクされたら…困る…。
これまでの作品を経て、姉妹はいつまでも一緒に暮らして行くことが彼女たちの幸せだと思っていたので、エルサが未知の世界に、こんなにもワクワクしていることにとても戸惑いました。
そして私は、エルサにいつまでもアレンデールにいてほしい、今の幸せを何も変えないでほしい、と願っていたので、私にとって一番特別な女の子の、未知への可能性を素直に喜べなくなりました。
私が好きなのは、アレンデールの女王としてのエルサであって、アレンデールやアナを置いてどこかに行ってしまうエルサを応援できなくて、もしそうなったらどうしよう…と、映画公開日まで屍のような日々を過ごしていました。
でも、そんな考えは全部杞憂でした。
結局、エルサは精霊の女王となり、アレンデールを離れてノーサルドラの大地で生きて行くことになりますが、問題はそこではなかったんです。