「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」(山本五十六)という名言があります。部下育成、部活での後輩指導など、人を育てる時の大事なポイントですね。子育てするときも同じだと思います。
「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば」→「子どもは動かじ」なのかもしれません。
『1人で出来る子が育つ 「テキトー母さん」 のすすめ』の著者の立石美津子がお話します。
お片付けの場合
リビングに玩具が散乱しています。
そんなとき、つい口走ってしまうこんな言葉
「どうして散らかすの!」
「早く片づけなさい!」
ママは沸き起こる感情をぶつけてしまいますが、子どもにとって「なんで、どうして」と理由追及されても、散らかす理由を整然と答えることは出来ませんから、親子のバトルに陥ります。
また、「早く片づけなさい」と言われると、その言葉を字面通りとってしまい、大急ぎで乱雑に、詰め込むような片づけ方をしてしまうこともあります。
いつまでも遊んでいてなかなか食事を開始しない子どもに、「早く食べなさい!」と親が開始時刻のことを注意したのに、子どもはスピードを表す「速く」と勘違いして、口に物を詰め込むように急いで食べてしまうという笑い話もあります。
お手伝いを頼んだ時の〇〇は禁物
お手伝いさせようとして教えたタオル畳み、子どもにやらせたらグチャグチャです。そんなとき、つい口走ってしまうこんな言葉
「どうして、そんなにグチャグチャに畳むの!きちんと畳みなさい!」
「これじゃあ、やり直しじゃあない。却って手間になるわ!」
お皿洗いさせたら、洗剤は大量に使うし、お皿の裏はまだ汚れが残ってベトベト。そんなとき「まだ汚れてるじゃないの!やり直し」とダメ出しされたら?
子どもは「もう二度とお手伝いなんかするもんか!」と思ってしまいます。(これは夫に家事を手伝ってもらうときも、同じです。ダメ出しは禁物です)
わかりにくい曖昧な指示に要注意!
ある幼児教室の話です。机の上に道具が散乱している状態を見て、先生は子ども達に向かってこう言っていました。
「机の上をきれいにしなさい」
すると、ある子どもは机の上にあったクレヨンや画用紙をドサッと下に落として机の上に何もない綺麗な状態にしました。
そもそも、「きれいに」だけでなく「ちゃんと」とか「整理整頓」の言葉は子どもにとってはわかりにくい指示なのでした。
解決法
「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、子どもは動かじ」です。
まだ生まれて数年の子どもです。手先も器用ではありません。何十年生きてきて家事をやることに慣れているママとは違います。
そんな子どもに手本、つまり、やってみせることをすることなく注意ばかりしていては、子どもは動けなくなってしまいます。