先を見越した分譲マンション選びのポイントとは

当たり前ですが、子供はいつまでも子供ではありません。

今は小さくて大人の援助がなければ生きられませんが、いつかは独立して、就職や結婚などを機に、今一緒に住んでいる家を出ていくことになります。

子供たちが独立した後は、3LDK4LDKの広い間取りの家で夫婦2人過ごすということになるでしょう。

独立した子供たちが実家に帰ってくることを想定して、そのまま広い家で2人暮らしを続けることもあるでしょうが、場合によっては2LDKなど、もう少し狭いマンションへの住み替えを考えることもあると思います。

住み替えを想定した場合、今まで家族で住んでいたマンションを売却することになりますが、売却を見据えた子育て世帯における分譲マンション選びのポイントは、「資産性」です。

どうせ買うなら、将来の売却を見越した「資産性の高い」物件を選ぶようにしたいもの。

では、資産性が高い物件とはどういうものなのでしょうか。

簡単に言ってしまえば、「売りやすく賃貸に出しやすい物件」です。

大規模マンションは管理が行き届いているイメージがある為、値崩れが起こりにくいと言われていますが、同時期に大量の購入者がいる為、同じ築年数で同じ間取りの部屋が同時に売りに出される可能性があり、ライバルが多く、なかなか高値で売れないということが起こります。

それに比べ小規模マンションは、大規模マンションのように広大な土地を必要としない為、駅近くに建てられたり、閑静な低層住宅地に、その街に溶け込むように建てられるケースが多いです。

駅から近い物件であれば値崩れが起こりにくいと言えますが、駅から離れた低層住宅地に建てられたマンションの場合は、なかなか売れないケースもあります。

では、子育て世帯が「売りやすく賃貸に出しやすい物件」を手に入れる為のポイントは、あげれば多数ありますが、特に気にするべきポイントは「駅からの距離」「部屋数」「街力」です。

「駅からの距離」のチェックポイント

まず「駅からの距離」についてをお話する前に、最寄駅そのものについてお話しますが、最寄駅は「特急や急行が停まる駅」や「2路線以上利用可能な駅」「都心へのアクセスが良い駅」であれば良いですね。

都心へのアクセスが良い駅、急行や特急が停まる駅であれば言うまでもなく、買いたい・借りたいと思う人のボリュームゾーンが多いため、売ったり貸したりしやすくなります。

では「駅からの距離」の重要性についてですが、3LDK4LDKの中古マンションを求める購入希望者のボリュームゾーンが多いのは「駅から徒歩10分圏内」です。

子育て世帯イコール働く世帯ですから、毎日の通勤が苦にならない駅からの距離を求めるということは言うまでもありません。

「部屋数」のチェックポイント

次に「部屋数」についてですが、家族と言えば大人2人・子供2人の4人家族というのが、今も昔も変わらず一般的な家族の形ですが、その世帯が求める部屋数は3部屋もしくは4部屋です。

少し前は、7080㎡クラスでも1LDK2LDKにプラン変更し、広いリビングでホームパーティなどといったことも流行りましたが、それよりも「子供の数だけ部屋が欲しい」「パパの書斎が欲しい」「親や友人が遊びにきた時の客間が欲しい」といったように、部屋数を求めるニーズの方が高いと言えます。

ですから、購入する際は、購入希望者のボリュームゾーンが多い3LDK4LDKを購入した方が良いですね。

「街力」のチェックポイント

最後に「街力」についてですが、子育て世帯から高齢者世帯の全てにおいてニーズの高い街というのが、商店街や大型スーパー・銀行や郵便局・行政機関の窓口や出張所・夜間診療もしている総合病院が駅を中心に半径5km圏内にある街です。

そんな利便性の高い街の中に、子供が通いやすい学校が点在していれば申し分ないと言えるでしょう。

いくら最寄駅から徒歩5分の立地でも、駅前商店街がシャッター街になってしまっていては、街力がないと判断され、売れにくく貸しにくい物件となってしまいます。

では、分譲マンションの価値を見極めるための指標となっているものはないか気になりますよね。

実はそういうものがあるのです。

東京カンテイが毎年公表する「マンションPBR」というものがそれです。

「マンションPBR」とは、株価の価値判断に使われる株価資産倍率(PBR)の考え方をマンションにも応用したもので、過去10年間に取引された分譲マンションについて、中古価格が新築時の価格の相場に比べてどれくらいの割合になっているかを駅ごとに数値化したものです。

参考にしてみてください。

まとめ

子育て世帯における分譲マンション選びは「物件の規模」によって大きく子育て環境を変えます。

大規模マンション・小規模マンションどちらが良いかについては、人の考えや価値観、ライフスタイルによって違いますから、一概にどちらが良いとは言えません。

迷う場合は、「それぞれのメリットがデメリットを上回るかどうか」を視点に考えると良いでしょう。

そして、子供が独立して家を出て行った時に住んでいるマンションをどうするかといった先を見据えた購入を考えた場合、「将来的に売りやすく賃貸に出しやすい物件」を手に入れることが重要だということです。

今回ご紹介したポイントを参考に、子育て中から将来を見据えたマンション購入をして頂くと失敗がなくて良いと思います。

あなたにとって、良い物件が手に入ることをお祈りしております。

ライター。不動産会社に10年ほど在籍し、賃貸営業、賃貸事務、売買仲介、売買仲介事務、不動産管理営業、不動産管理事務など幅広く経験。現在も不動産会社で勤務しており、おもに賃貸仲介をメインで活動中。好きな言葉は、「根拠のない自信はおおいに結構。それを裏づける努力をするべし」。二児の母でもある。