3.  報告書から読み取れること

個人でとらえ方は違うと思いますが、私なりに簡単にまとめてみました。

日本はかつてない少子高齢社会を迎え、経済社会システムが変化していく中で、金融サービスも変化すべきです。

公的年金等の社会保障給付は老後生活の柱であることには違いないがですが、想定外の急速な少子高齢化により、現在の給付水準を維持するのは厳しいと言わざるを得ません。

認知症や介護リスク・空き家対策等も想定したうえで、心豊かな老後を楽しむために必要不可欠な「健康」と「お金」の重要性を自覚し、長寿化に応じて資産寿命を延ばすことが重要です。

早い時期から少額でも長期・積立・分散投資の行動を起こすことは有効

その為には早い段階から将来に向けての準備に手を付けるべきです。

生活資金等は元本保証の預貯金等により確保しつつ、早い時期から少額からでも長期・積立・分散投資の行動を起こすことは資産形成の手段の一つとして有効と考えられるでしょう。

個人の資産形成を後押しする制度としてはiDeCo・NISA等がありますが、制度の充実と並行して国民の金融リテラシー向上のための取り組みと、顧客に真に寄り添い総合的なアドバイスを提供できる質の高いアドバイザーの養成が必要になってきます。

この報告書をひとつのきっかけとして、個人や金融サービス提供者、行政機関などあらゆる主体が「高齢社会における資産形成・管理」について、主体的に精力的な議論をすべきです。

4.  報告書が本当に伝えたかったメッセージとは?

まずは「自分はどのように暮らしたいのか」を具体的にイメージしてみよう

報告書(金融庁が2019年6月3日に発表した「金融審議会市場ワーキング・グループ報告書『高齢社会における資産形成・管理』」のP.35)の最後、『標準的なモデルが空洞化しつつある以上、唯一の正解は存在せず、各人の置かれた状況やライフプランによって、取るべき行動は変わってくる。

今後のライフプラン・マネープランを、遠い未来の話ではなく今現在において必要なこと、「自分ごと」として捉え、考えられるかが重要』とあります。

この一文に、報告書が本当に伝えたかったメッセージが込められていると思います。

あくまでも各自の状況を踏まえ、自分自身で将来の見通しをたてるしかありません。今まできちんと考えたことがないという方は、将来の為の資産形成を本気で考える時期に来ています。

報道のピントはずれていましたが、この報告書がひとつのきっかけとなり、老後についての関心が飛躍的に高まったことは確かです。これを良い機会ととらえ、まずは、「自分はどのように暮らしたいのか」を具体的にイメージしてみましょう。

どこで、どのように暮らしたいか。そのためにかかるお金はいくらか。年金でまかなえない部分をどうするか。

健康、家族、仕事など、子育て世代の考えるべきことは山積みですが、「自分の人生は自分のもの」と腹をくくり、ファイナンシャルプランナーや社会保険労務士・税理士など各専門家のアドバイスも参考にしつつ、まずは自分だけのライフプランをたててみましょう♪

髙柳 万里(たかやなぎ まり)

キッズ・マネー・ステーション認定講師/ファイナンシャルプランナー

ファイナンシャルプランナーの夫と、子ども二人の4人家族。金銭教育を受ける機会が全くないまま社会人となっていたことに愕然とし、必要に迫られて平成二十年にFP資格取得。「未来の自分を養うのは今の自分」をモットーに、保険分野を専門にアドバイスしています。

小学校入学を機にお小遣い制をスタートした息子と、最近お金に興味を持ち始めた保育園児の娘が、一生を通じて上手にお金とつきあうためにはどうしたらよいか、日々試行錯誤中です♪

「見えないお金」が増えている現代社会の子供たち。物やお金の大切さを知り「自立する力」を持つようにという想いで設立。全国に約300名在籍する認定講師が自治体や学校などを中心に、お金教育・キャリア教育の授業や講演を行う。2023年までに2000件以上の講座実績を持つ。公式サイト「キッズ・マネー・ステーション