4.電車・街での子連れマナー・常識
セキ「私が住んでいるのは田舎で、完全に車社会なので、赤ちゃんを連れて電車に乗ることはほぼ無かったのですが、街やお店での子連れ家族に対する周囲の方の反応は、日本よりずっと寛容だと思います。
人前や屋外で授乳していても誰も気にしませんし、私自身、レストランで息子がぐずってしまったときに、他のお客様からとても温かい言葉をいただいた経験があります。
公共の場でも、赤ちゃんが泣いているからと言って、あからさまに嫌な顔をするような人はほとんどいませんし、日本のようにベビーカーを押している方が気を遣うというよりは、周りの人が気にかけて、よけてくれるような、子育て中のママやパパに優しいところがあります。
とはいえ、ママやパパはもちろん、周りの人になるべく迷惑がかからないように努力します。私も申し訳ない気持ちになることはたくさんありましたが、周りの方の理解に幾度となく助けられました」
5.しつけの仕方
セキ「アメリカで絶対にしてはいけないことは、子どもを叩くことです。頭を軽くペシっとするだけでも、通報される可能性があります。
アメリカでよく行われているしつけの仕方として、『タイムアウト』というものがあります。これは子どもが悪さをしたときや、言いつけを聞かないときなどに、あくまで大人の目に届く場所や絶対に安全な場所に限られますが、例えば子ども部屋などで数分間、一人になる時間を与えます。
そうすることで、実際、子どもが反省したり落ち着きを取り戻したりしますし、アメリカでは昔からされてきたしつけ方でもあります。ただ、罰といえば罰なので抵抗がある親御さんもいます」
6.パパの育児参加
セキ「パパの育児参加は、日本より進んでいると思います。
例えば、平日の昼間に、道でパパが一人でベビーカーを押していても全く不思議ではないですし、図書館でやっている赤ちゃんの絵本読み聞かせの集まりに、パパが赤ちゃんを連れてくることもよくありました。
『パパ会』のような感じで赤ちゃんを連れたパパが集まっているのを見たこともあります。
私の息子が赤ちゃんの頃から仲良くしているママ友は、知り合ってすぐに、パパたちも含めた家族ぐるみのお付き合いになったりして、おそらく影でパパ同士、仲良く愚痴の言い合いなどをしてるんじゃないかな?と思ってます(笑)」
アメリカでの子育ては、アメリカならではの面白いところがあるのが印象的でしたね。また日本よりも子連れに対して寛容、パパの育児参加が進んでいるというのは、興味深いところです。
保育料が高額!ジャンキーな家庭も!?
その他、日本とギャップがあると感じたことを、セキさんに聞いてみました。何やら面白いギャップがあるようですよ。
1.保育料が月平均10万円前後!
セキ「日本でいう保育園に当たる、『デイケア(ナーサリー)』が高額なことに驚きました。州や都市にもよりますが、0~1歳の赤ちゃん一人の保育料は月平均10万円前後だそうです」
2.自然派とジャンキー派の振り幅が大きい!?
セキ「アメリカは、なるべくオーガニックや自然派なもので子育てしたい、という方もたくさんいますし、そういった商品や環境も充実していると思います。
しかし、一方でジャンキーな方はとことんジャンキーです。その振り幅は、日本のそれを軽く超えていると思います」
3.超個性的なママが多い!?
セキ「ママになっても自分の趣味を貫く!みたいな感じで、超個性的なママさんが結構いるな~と感じています。最初は度肝を抜かれましたが、皆さん見た目は奇抜でも、しっかり子育てされていて、十人十色で面白いです」
アメリカは広いので、一概に日本との差を言うことはむずかしいものの、子育ての一部を知ることができました。日本の子育てと比べてみると、なんだか新鮮に思えますね。
【取材協力】セキ アキコさん
アメリカのメイン州で男の子を育てながら、カメラマン・ライター・クラフトアーティストとして活動中。アメリカでの生活を綴ったブログも日々更新中。