「公共の場での授乳」はアリかナシか?日本国内では論争が続いていますが、では外国ではどのようにとらえられているのでしょうか。

「専門家と考える 公共の場での授乳問題」海外シリーズ第3弾、家族旅行先としても人気の高い米国・ハワイ在住ママに聞きました!

公共の場も職場も子育てウェルカム!デパート授乳がマスコミに取り上げられた際には?

堀内章子さんはシンガポールや米国・サンフランシスコ等での生活を経て、ご家族でハワイ・オアフ島へ移住されて10年余り。ご自身のネットワークを活かしてハワイほか海外各地の情報を日本のさまざまな媒体で発信しながら、二人のお子さんを育てていらっしゃるとか。

――今日はまず、ハワイでの“おっぱい”事情について教えてください。

堀内章子さん(以下、堀内):ハワイでは母乳よりもミルク育児の方が多い印象ですが、出かけた先でおっぱいをあげているママを見かけることもあります。

以前はミルクをあげる人がもっと多かったように思うのですが、母乳の良さが知られるようになってきたためか「公共の場での授乳」を目撃することは増えてきたかもしれません。

車社会なので車内ですることも多いようですが、ほかにもホテルやショッピングモールなどでは、お手洗いそばのスペースに休憩できる椅子が置いてあり、そこで授乳しているママもいます。外のベンチで授乳する姿も見かけますよ。

――いわゆる「授乳室」といった設備はないのでしょうか。

堀内:授乳室もないことはありませんが、日本のようにお湯でも何でもそろった充実したものではありません。

ハワイでは「公共の場での授乳」は“当然の行為”と受け止められているので、例えばレストランなどでもさりげなくケープ等を使って、ママたちが普通に授乳をしています。

こちらのママに聞いてみても「公共の場での授乳は周りも“自然な営み”として認めているし、私たちもケープ等を使いながらあげているので、特に違和感を覚えたことはない」とのこと。

またそれを取り巻く側に立つ友人にも尋ねたところ「公共の場で授乳する必要がある場合には、ケープなどで隠してくれれば問題ないわ」と答えてくれました。

働くママは仕事中に搾乳をして、会社の冷蔵庫に保管しておくこともありますから、育児について社会的におおらかというか、ウェルカムな空気はあるのではないでしょうか。

――日本では「公共の場での授乳」の是非をめぐって、かなりの炎上が起きたりもしていますが。

堀内:ハワイでも、そのようなことがまったくなかったワケではありません。

実は、大手百貨店のメイシーズで授乳をしていたママが、デパートのスタッフから「周りの目もあるからやめるように」と言われて、テレビで取り上げられたこともありました。

――それは日本のショッピングモールのレストランで一昨年、授乳するママに対してウェイトレスを務めるスタッフが不快感を持ったケースと状況が似ていますね。日本の場合は直接注意したのではなく、新聞に投稿したことで話題になりましたが、ハワイではその後、どうなりましたか。

各民族・各ファミリーで文化の異なるハワイ!“自分と異なる習慣”へのリアクションは?

堀内:米国ではハワイを含め、45の州で「公共の場での授乳」は法律で認められている行為でもあり、この件についてはメイシーズが公式に「店内で授乳することを尊重します」と発表して落ち着きました。

――授乳を“尊重”というのは、赤ちゃんやママが大事にされている感じがしますね。

とはいえ、ハワイの男性は実際のところ「公共の場での授乳」をどのようにとらえているのでしょうか。前回の米国・ニューヨーク編でも、州として法的に認めているという話がありましたが、法律があるとはいえ「イヤだなぁ」と感じたりはしていませんか。

堀内:ハワイについていえば、抵抗を感じない男性がほとんど、でしょうね。

先ほども申し上げましたが、街中で授乳しているママもいますので、そのような場面に出くわすこともありますが、そのママ、もしくはご家族が決めたスタイルに第三者が異を唱える必要はない、という考え方が圧倒的です。