「この問題は解決できる!」と断言する女性がいます。
自ら「公共の場での授乳」で辛い経験をし、日本初の授乳服専門ブランド「モーハウス」を起業して20年。
育児と社会の共存を目指すNPO法人「子連れスタイル推進協会」代表も務める光畑由佳さんに聞きました。
女性間で勃発した「公共の場での授乳」論争、オンナの敵はオンナなの?
――「公共の場での授乳」が、世の中をにぎわせています。
昨年(2016年)末の新聞への投書をきっかけに、テレビのワイドショー等でも広く取り上げられ、ネットでも炎上騒ぎが起きました。
この問題に向き合い続けてきた光畑さんは、今回の論争をどのようにとらえていらっしゃいますか。個人的には、最初に新聞投稿をした方が20代の、しかも“女性”だったということに、少なからずショックを受けているのですが。
光畑由佳さん(以下、光畑):実は、私が自分自身の「公共の場での授乳」体験をきっかけに、子育てと社会の共存問題に取り組み始めてから20年余りの間に、何度か同じような摩擦が起きているのですが……
※光畑さんの「公共の場での授乳」体験についてはハピママの「授乳服・ケープどっち? “赤ちゃんを泣かせない”コツ【動画あり】|光畑由佳さんインタビュー(1)」をご覧ください。
意外かもしれませんが、口火を切るのは、今回のように“若い女性”が多いのですよ。
――エッ!そうなんですか?
光畑:現役ママからすると「同じ女性なのに理解してもらえないなんて!」「同性の敵は同性?」なんて感じてしまうかもしれませんが、それは、ちょっと違うと私は思っていて。
「公共の場での授乳」について、口には出さないけれど“違和感”を持っている人がたくさんいるのでしょうね。
でも、男性が切り出したら「性的なモノとして見るなんて!」と責められるでしょうし、例えば女性であっても年長の出産経験のない人が疑問を呈すれば「産んでないじゃん?」と反論されてしまう。
そう考えてみると“若い女性”が、この社会問題に対しては一番発言しやすい立場なのです。
そしてほぼ毎回、“若い女性”の問題提起をきっかけに「なんとなくイヤだなぁと感じてはいたけど、言っちゃいけないと思ってた!」という人たちが、大挙して参戦してくる。そんなパターンが、何度も繰り返されてきました。
ただ、この論争にはいつも、ママたちが抱えている問題や感情に対して、それはそれは大きな「誤解」があって。その大きな「誤解」によって、社会はますますママに寄り添いづらくなってしまっているというか……問題の「解決」を、遠ざけてきたように思うのです。
――ママたちに対する「誤解」が、問題の「解決」を遠ざけてきた?どういうことでしょうか?
「気遣ってもらえたらありがたい」けど、ママの本音はそこじゃない?
光畑:「公共の場での授乳」論争で、それぞれの言い分に耳を傾けていると、「なんでこっちが気を遣わなきゃならないんだ?」とか、授乳の必要性は理解できるけど「子連れには気遣いをするのが当然かのように振る舞っているあたりが不愉快」というような意見が聞かれるのですが。
そもそも、ママと赤ちゃんに「気を遣って欲しい」だなんて、心の底から思っているママっているのかしら。
――どういうことでしょうか?