「公共の場での授乳」について悩み、外出を控えると答えたママはアンケートによれば1/3にも上ります。日本は子育てしづらいなんて声も聞きますが、では海外ではどうなのでしょうか?
「専門家と考える 公共の場での授乳問題」番外編、米国ニューヨーク在住ママに聞きました!
「公共の場での授乳」は法的にOK!授乳室は少ないけどケープも丸出しもアリ?
――海野典子さんは、2000年に渡米して教育学スクールカウンセリング科修士課程ご卒業後、ニューヨークで2009年に子どもたちのプレイグループをママ仲間と一緒に立ち上げられ、さらに2013年からは親と子、人と人とのつながりを深める“いのちの共育”活動「森の家」を主宰されているとか。
また現地で子育てをする一児の母でもあり「公共の場での授乳」問題も他人事ではないと思います。まずニューヨークの現状について教えてください。
海野典子さん(以下、海野):ニューヨーク州で「公共の場での授乳」は、法律で権利として認められています。
社会的にも当然の行為として受け止められていますし、ワーキングマザーも職場で搾乳が認められています。
だからでしょうか、授乳室は日本ほど整備されていません。
――では皆さん、どうやって授乳を?
海野:ケープやカバーを使っているママもいれば、使っていないママもいます。
例えば、よく日本で論争(?)になっている断乳の時期にしても、早めにするママもいれば、3~4歳まで授乳しているママもいたりして。
言うなれば“ジャッジメントなし”の環境なので、何でも受け入れられている、という感じでしょうか。
――ニューヨークといえば、多様な文化が集まる都市として知られています。だからこそ「何でもアリ」なんでしょうか。ちなみに海野さんは、どのようにされていましたか。
海野:ケープを常に持ち歩いて、公園などで、さっとあげるようにしていました。私自身は「胸を見られたら恥ずかしいなぁ」と感じていたので、周りの環境もできるだけ人がいないところを選ぶようにはしていましたね。
アメリカ人の友人の実際の話ですが、彼女は人の意見よりお腹が空いている子どもの方を優先したいと思っていたそうで、最初はマナーとして「隠した方がいいか」と考え、カバーをしようとしたりイロイロやってみたそうなのですが、子どもが何かかぶせられるのをすごく嫌がって、結局はおっぱいを丸出しで授乳することになってしまったそうです。
男性の前でも授乳したそうですが、彼女自身は「恥ずかしく感じたりはしなかった」と、笑顔で語ってくれました。
――では現地の男性は「公共の場での授乳」をどんな風に受け止めているのでしょうか。