「勉強する子」に育てるベストタイミング

小学校入学前、年長さんの1月~3月の時期、子ども達は“幼稚園を卒園してお別れになる”といった悲しみよりも、「一日も早くピカピカの小学生になりたい!」と思っています。「このまま留年して幼稚園で年長さんをまたやりたい」などと思っている子は一人もいません。

私は保育園で仕事をしていますが、毎年、年長さんの生徒に「みんなは小学校に入学したら何をしたいの?」と聞いてみることにしています。すると、ほとんどの子どもが「お勉強をしに学校に行く!」と嬉しそうに答えます。

確かにその通りで、生きていく上で学力をつける場が小学校です。「学校に行って遊びたい」という子はほとんどいません。

ところが、入学式を終えて、しばらくの間は“学校に慣れさせる”意味もあってか、次のようなことに重きが置かれているように感じます。

・校舎を回る学校探検
・給食指導
・登下校指導

そして、本格的な勉強らしいことは4月末になってから、そして入学後1ヶ月、5月の連休明けからは急にスピードが速くなり、宿題も出始めます。

でも、入学前の春休みにランドセルを何度も背負ってみては「学校行って僕はお勉強するんだ~」と張り切っていた時期、入学直後の期待にワクワクしていた時期から5月は少しタイミングがずれてしまっています。もったいないですよね。

ですから家庭ではぜひ、幼稚園、保育園の卒園式が終わった後、3月の春休みと入学式直後の「勉強するぞ!」という意欲が満々のときに、机に向かう習慣をつけてしまいましょう。

実際、学力は「学年×10分」の家庭学習により付いていくと言われています。1年生は10分、2年生は20分、3年生は30分です。

幼児期に机に向かう習慣がなく、入学後にいきなり10分間椅子に座って学習することは難しいですので、入学前から5分程度椅子に座って何かをする習慣をつけてしまうのです。

まだ、小学校は始まっていませんから勉強を前倒ししてやる必要はありません。絵を描いたり、自分の名前を練習したり、線の練習をする程度で良いのです。勉強したい気持ちが最高に高まっていますので、一生懸命取り組むはずです。

まとめ

ベストタイミングという言葉があるように、タイミングを逃さないことが大切です。子どもが興味を持っていることを「忙しいから」「かえって面倒なことになるから」と目先のことで拒否するのではなく、大いにやらせてあげましょう。長い目で見たら、親もとてもラクができますよ。