注意したいチャイルドシート・ベビーシートでの拘束

12月も下旬となり、一段と忙しなくなってきました。これからはクリスマスをはじめ、忘年会、お正月、新年会……とイベントが目白おし。実家に帰ったり、友人宅に遊びに行ったりと、家族で出かけることが多くなりそうですね。

そこで注意したいのが、お子さんがチャイルドシート・ベビーシートで長時間過ごすこと。

昼寝の時間にこれらに座らせていると自然と眠ってくれますし、また、移動が終わった頃にちょうど目を覚ましてくれると、「移動」と「お昼寝」が終わっているので楽ちん。

ですが、チャイルドシート・ベビーシートに甘え過ぎるとよくない点も。今回は、「脳科学」の視点で、これらの問題を考えてみたいと思います。

「チャイルドシート、ベビーカー…大人の都合で長時間自由を奪うのはやめよう」と訴えるのは、米アリゾナ州立大学心理学臨床学の教授であるジル・スタムさん。

脳科学を育児に活用する方法を提案しているスタムさんは、自著『子供の脳は5歳までに準備しなさい 賢く育てる!脳科学にもとづく52の方法』の中で、上記のように語っています。

では、なぜチャイルドシート、ベビーカーの使いすぎは良くないのでしょうか。

すぐに思いつくのは、「運動の機会を制限する」ということ。確かにベビーカーの上にずっと乗っているだけでは、運動のしようがありません。これはわかりやすい理由ですね。

しかし、スタムさんの分析によると、「認知機能の発達を抑える」可能性があるようです。

認知発達に不可欠な要素として「注意集中システム」があります。

「チャイルドシートなどによって動きや視界を制限されていると、赤ちゃんは注意集中システムを働かせることができません。振り向いて、後ろで何が音を立てているのか、見ることができません。

ひとつの刺激から別の刺激へと注意を切り替えることができず、注意システムの切り替え機能を訓練できないのです」 出典子供の脳は5歳までに準備しなさい 賢く育てる!脳科学にもとづく52の方法

確かに、運動をする機会だけでなく、チャイルドシート、ベビーカーに乗っていては、注意すべきことを、自分で探ることができません。

この制限が続いてしまうと、「努力しても無駄だとすぐに学んでしまって、やってみようとしなくなること」と指摘されているので驚きです。

チャイルドシートなどからの解放は、子どもたちの知的学習に役立つのです。

では、具体的にどのようにすれば良いのでしょうか。その解決策が同書で紹介されています。