プライドをズタズタにされて、変わることができた
――これまで演じてきた作品で、小澤さんの中で大きかった作品や役柄は何ですか?
小澤:自分の芸能人生を大きく変えてくれた『ダイヤのA The LIVE』は、すごく思い入れがあります。沢村栄純の前向きな姿勢に、僕も芸能の仕事をしている中で何度も救われました。
スマホカバーはずっと沢村栄純モデルで、汚れて取り替えて、もう3個めなんです。それくらい沢村栄純に対しては思い入れがあって尊敬もしているし、ずっと一緒に歩んでいきたいな、と思えるキャラクターです。
『ダイヤのA The LIVE』はとてもアットホームなんですよ。アニメ版の声優さんも見に来てくれたり、プロデューサーさんも声優さんと舞台の俳優たちを仲良くさせようと食事会を組んでくださったりして。原作の寺嶋裕二先生も何回も観に来てくれて、その度に泣いてくださってます(笑)。
――今までの共演者の方で影響を受けた人はいますか?
小澤:高崎翔太くんかな。いろいろな方に面倒を見てもらっているんですけど、高崎翔太くんには一番面倒見てもらって。
最初僕はプライドが高かったんですけど、そのプライドをズタズタに引き裂いて、「今まで持っていたプライドはいらないものだったんだな」って、僕の人間性を丸くしてくれたのが翔太くんなんですよ(笑)。僕の中では兄弟子です。
感謝を忘れないと生きるのが楽になるし、豊かになる
――プライドをズタズタに、とは具体的にどのようなことがあったんですか?
小澤:演技が出来ていない、ということをことごとく言われまして。「ほんと、お前下手くそだな」って。それは愛のあるムチで、「下手くそだな」って言い捨てるだけじゃなくて、出来るまでずっと付き合ってくれる優しい一面を見せてくれました。
――自分で振り返って、「プライドが高かったな」と思う部分はどこでしょう?
小澤:今ついていただいているマネージャーさんの手に負えないくらい、人間が出来ていないプライドの高い、扱いづらい男だったんです。僕自身も、昔の自分はちょっと人間として出来てなかったと思います。今もまだまだなんですけど、まだマシになったと思いますね。
――では、気持ちの面ですごく生きやすくなったんじゃないですか?
小澤:そうですね、バカにされても怒ることもなくなったし、謙虚さっていう心も学んだし、感謝する心を一番学びましたね。感謝を忘れないと生きるのが楽になるし、豊かになりますね。
――高崎さんとは、とても大きな出会いでしたね。
小澤:翔太くんだけじゃなくて、事務所の周りの方に徐々に教えてもらって、今に至ります(笑)。
あと、もう1人の師匠は江戸川萬時さんです。あ、一番面倒見てくれたのは萬時さんかもしれない!(笑) 萬時さんと翔太くんと3人で勝手に“萬時塾”っていうのを作って。兄弟子が翔太くんで、弟弟子が僕。だから、その3人は特別な関係なんですよね。
面倒を見てもらった2人には、僕が活躍することによって恩返しできたらなって思っています。最近、けっこう翔太くんがグイグイ突っ走っているので、「やばい、俺も置いていかれないようにしなきゃ」って感じです(笑)。