決して忘れられない『仮面ライダー電王』を支えた名デザイナー、韮沢靖さん
2000年代のライダーシリーズにおいて高い人気を誇り、まさに「特異点」の一つとして、今も語り継がれる名作『仮面ライダー電王』。そのドラマ性の高さや、登場キャラクターの魅力は勿論のこと、佐藤健さんや石黒英雄さんといった、後の人気俳優を輩出した特撮作品としても、今後も特撮作品のヒストリーに、その名前を残す作品であり続けることでしょう。
最後に、『電王』の10周年を振り返る上で、決して欠かすことができないクリエイターについても触れておきましょう。そのクリエイターとは、本作でクリーチャーデザインを務めた、韮沢靖さんです。
見た目こそ恐ろしい異形の存在であるものの、その内面は愛すべきキャラクターの持ち主というモモタロスたちの「ギャップ」による親しみやすさは、韮沢さんのキャラクターデザインと出演声優陣の好演が見事に融合したことで生まれ得たものでしょうし、敵のイマジンたちのおどろおどろしさと美しさが混在するビジュアルは、韮沢さんだからこそ生み出すことができた「作品」です。
平成ライダー作品で沢山の怪人を生み出し、シリーズにおける重要なクリエイターとして、歴代作品を支え続けた韮沢さん。その突然の訃報を聞いた際に、イマジンたちの姿を反射的に思い浮かべた特撮ファン、アニメファンも多いことかと思います。
韮沢さんの独特な美意識とデザインセンスによって生み出されたライダー怪人たちはいずれも、この先、更に10年、20年という時を経ても、決して、その輝きを失うことはないでしょう。
10周年を機会に、『仮面ライダー電王』を観返す、或いは、これから初めて触れる方々は、この名作に出演していた役者さんたちの未来に輝かしい未来が待っていること、そして、「韮沢靖」というクリエイターが特撮作品にとても大きな功績を遺したことを是非とも念頭に置いて、作品世界へと飛び込んでいただければと思います。