イラスト:上田 耀子

夫の浮気やDV、モラハラ。離婚する理由はさまざまですが、「もう我慢できない!」と勢いだけで突き進んでしまうと、実際に離婚した後で苦しむことも少なくありません。

それならいつ離婚するのがベストなのか、は人それぞれの事情によります。

離婚に踏み切った女性たちは、そのタイミングを間違えなかったことで幸せをつかみました。

実際にどんなときに離婚を決行したのか、ご紹介します。

離婚を「幸せになるための選択」にする!

1:子どもが小学校に上がる前に

35歳のある女性は、長女が産まれてから夫とセックスレスになり、自分から誘っても断わられることが悲しく、それから愛情が冷めていったといいます。

そのまま二人目を考えることもなく5年が過ぎ、長女は無事に年長組へと進級しました。

そのとき、突然発覚したのが夫の浮気。相手は夫の会社に出入りする取引先の女性で、夫は女性に残業だと嘘をついて食事やホテルに行っていることがLINEでわかりました。

すぐに離婚を考えた女性ですが、原因が夫である以上、「夫の有責で離婚したいし、慰謝料も請求したい」と考え直して証拠集めに集中します。

「夫への愛情は完全になくなっていて、逆に今まで通りの態度でいられたのが良かった」

と女性は話していましたが、夫に証拠集めを疑われることもなく、LINEでのやり取りや地図アプリの履歴を写真で撮っては保管していきます。

長女には優しい父親だったそうですが、それでも家族に嘘をついて不倫相手と楽しむのは決して許せるものではなく、高価なバッグをプレゼントするなど家計を顧みない夫の行動も離婚の決意を深くさせるものでした。

女性が考えた離婚のタイミングは、長女が小学校に上がる前。

環境が大きく変わるときに父親がいなくなってしまうと、子どもは余計に苦しむだろう。そう思った女性は、最初からシングルマザーとして長女を入学させる道を選びました。

子どもが年長組になった年の夏、女性は“絶対に夫が言い逃れできない量”の証拠を持って離婚を突きつけます。

夫は抵抗しましたが、弁護士に依頼することを告げると諦めて慰謝料の支払いにも応じ、離婚は成立しました。

ですが、女性にとっては「離婚より、その後の子どものほうが心配」で、時間をかけて心のケアに取り組み、母子二人の暮らしを理解してもらうために努力を続けました。

次の年の春、長女は元気よく小学校へと通い始め、女性も続けていた仕事を頑張っています。