×子どもと一緒になって、譲るように促す
親も子どもと似ていて、よその子に「そのバケツ、今うちの子が使っているんだから止めて」とか「滑り台、うちの子が先なんだから、横から入らないで後ろから並びなさい」など、他人の子を叱るなんてとても出来ないタイプのママ。そんなママがやってしまいがちなことは…。
モジモジしているわが子に「少し待っていたら、直ぐに滑れるんだから黙って待っていなさい」と言ってしまうこと。
これですと子どもは親の態度を見てこれを真似し、ますます自分が「こうしたい」という意思を言えない子に育ってしまいます。
また、周りから“いいママ”と思われ、子どもも“良く出来たいい子・我慢強い子”と評価されるかもしれませんが、子どもは心中穏やかではありません。
引っ込み思案な子どもへの親の対応法
では、引っ込み思案のわが子には親としてどんな風に対応すればよいのでしょうか。
わが子の性格をわかっている親だからこそ、次のような助け舟を出してやりたくなります。
「それ、うちの子が遊んでいた玩具だから使わないでね」
「今、うちの子が順番待っていたから後ろから並んでね」
けれども、こうやっていつも助けてあげてしまうと幼稚園、保育園などママのいない場所では自分一人で何も出来ずに強い子にやられっぱなしになってしまいます。
こんな時は我が子に「ママが一緒に行ってあげるから『今遊んでいるから使わないで』と言いに行こう」と一緒についていってあげましょう。子ども一人では言える勇気はないので背中を押してやるのです。
これが出来たら「勇気を奮ってよく言えたね。偉かったね」と断れたことを褒めてやりましょう。“嫌なものは嫌”と言えた体験をさせて自信を持たせるのです。
将来、断れないタイプになるかも
大人でも例えばPTAの役員で、引き受け手がなかなか見つからない場合に、引き受けたくないのに「○○さんだったら出来るわ」と押し付けられ「じゃあ、私でよければ」と受けてしまうような人っていますよね。
本心が言えず、誰かに頼まれると「はい、はい」と引き受けてしまうタイプの人、「私が我慢さえすれば皆がうまくまとまる、平和になる」と考える断り下手な人は、一人でストレスを抱えることになります。
もしかしたら、幼いころから「(自分の気持ちはさておき)お友達に譲ってあげなさい。自分より人の気持ちを考えて」と言われ続けていたのかもしれませんね。
“他人のことを考える”ことは、人として重要なことです。でも、まだ幼い子どもにそれを要求するのは、ちょっと酷かもしれません。
何故なら、自分の気持ちを大切にされてこそ、他者への優しさや思いやりの心が育つからです。
なかなか他人に我を主張できない子には、伴走者になって、ちょっとだけ背中を押してあげましょう。