鴨寶鍋(ヤーバオグォ) 台北
豚肉や鶏肉と並んで台湾では人気が高く、しかも身近な食材、鴨。他の肉類と同様、鴨肉も頭の先から足の先まで食べられる。
鴨の血でさえ余すことはない。鴨や豚などの血はそのまま置いておくと固まる性質があるため、固まる前に塩などで味付けをすると絹ごし豆腐のようにプルプルになる。そんな食感を楽しめるのが鴨寶鍋と呼ばれる鴨尽くし鍋だ。
店によって具材は異なるが、通常のハクサイ、キャベツ、エノキダケなどに加えて、鴨肉と鴨血豆腐がたっぷり入る。鴨は適度な脂が含まれているので、寒い冬に食べると栄養が摂れるとして、台湾人の間で人気だ。
鴨血豆腐は辛い味付けともよく合うので、鴨寶鍋だけでなく、麻辣火鍋(四川風激辛鍋)の具材としても一般的。
チェーン展開する鍋専門店「三媽臭臭鍋」では、お一人様用の鴨寶鍋もあり、100元前後で食べられる。
三媽臭臭鍋(サンマーチョウチョウグォ)
台北市農安街12號之5 TEL:02-25950592
11:00~23:00 無休
沙茶火鍋(サーチャーホォグォ) 新竹
台湾には「沙茶醤」と呼ばれる独特の調味料がある。茶色くてどろっとしているためカレーとも似ているが、実際にはエビなど海産物のダシやニンニク、各種スパイスから作られていて、漢方系の香りがある。
台湾では炒め物やあんかけ料理にも使われるこの沙茶醤は、鍋の季節に大活躍する。日本の家庭の冷蔵庫に「ポン酢」や「ごまダレ」が常備されているように、台湾の家庭の冷蔵庫には「沙茶醤」が常備されているのだ。
沙茶火鍋は鍋の具やスープを沙茶醤で味付けするのではなく、つけダレに沙茶を使うのが特徴。「佐料コーナー」に用意されている生の卵黄、ごま油、刻みネギやニンニクを小さなお椀や小皿に入れ、沙茶醤をたっぷり加える。これらをよく練り合わせたものが沙茶火鍋のつけダレとなるのだ。
新竹の「西市汕頭館」は深い旨味のある自家製沙茶醤と冷凍していない牛肉で行列ができる店。生肉はさっと湯通しするだけで食べられる。
西市汕頭館(シースーサントウグァン)新竹
新竹市西安街70號 TEL:03-5244430
11:00~14:00 17:00~23:00 無休
迷你火鍋(ミーニーホォグォ) 台北
外食率が高く、1日3食外で食べることも珍しくない台湾では、一人メシの比率も必然的に高くなる。このため、バラエティに富んだ一人メシのオプションが用意されている。
そのひとつがお一人様鍋「迷你火鍋」(ミニホォグオ)だ。カウンターにずらりと横並びになった鍋セットを前に一人客が黙々と鍋を食べる姿は、鍋を「囲む」のが好きな日本人にはちょっと不思議な光景だが、台湾では友達と一緒に一人鍋の店に行き、それぞれ好きな鍋を食べるというスタイルも珍しくない。
食べきりサイズの鍋には野菜、豆腐、練り物などに加え、お好みで豚、牛、ラムから肉の種類を選ぶことができる。
台湾の鍋にはトマトが入っていることも多い。酸味と甘味が加わり、スープがまろやかになる。
旺角石頭火鍋(ワンジャオスートウホォグォ ) 台北
台北市中華路一段74號 TEL:02-23880285
11:30~24:00 無休