新型コロナウィルス感染症の影響により、残念ながらファンは現地参加できなかったものの、「FAN GATHERING『閃光のハサウェイ』Heirs to GUNDAM」が、3月24日にZepp DiverCity(TOKYO)より配信。
世界的な人気を誇るガンダムシリーズ最新作のメインキャスト・主題歌アーティストの発表や、1988年公開の『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の深堀りトークなどが実施されました。
2018年に公開された『機動戦士ガンダムNT』に続く、「UC Next 0100」プロジェクトの映画化作品第二弾として制作されている『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』は、ガンダムシリーズの生みの親である富野由悠季氏の手によって書き下ろされた小説全3巻が原作。
全3部作として映画化される『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』は、映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の続編的位置付けとして、小説版の要素も盛り込みつつ制作されているとのこと。
「FAN GATHERING『閃光のハサウェイ』Heirs to GUNDAM」は、1979年のTVアニメ『機動戦士ガンダム』から『機動戦士ガンダムNT』までの歴代宇宙世紀サーガ作品が振り返られるダイジェスト映像上映からスタート。
ファンの期待が高まる中、1988年に公開された『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』について、深堀トークが実施される運びとなり、アムロ・レイ役の古谷徹さん、シャア・アズナブル役の池田秀一さん、アニメ評論家の藤津亮太さん、映画『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』のプロデューサーを務める小形尚弘さんが登壇しました。
今や国民的アニメキャラとなったアムロとシャアの因縁の対決が描かれた映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』。公開当時を振り返り古谷さんからは、「(シリーズ作品が作れる中で)僕らがメインではなくなった中、アムロとシャアががっぷり四つに組んで戦うというのは嬉しかったですね」と語り、池田さんは「サブタイトルが逆襲のシャアですから、やっと我が世の春がきたかなと思いましたよ(笑)」と回答されました。
ファンの間でも人気が高く、年を重ねて観るほど内容を実感できる作品ですが、中学生の頃に本作を観たという小形プロデューサーは当時内容を理解できなかったと話すと、藤津さんは「逆襲のシャア」というサブタイトルには大きな期待感があったと語ります。
「富野監督は大人の男性に観てほしいと当時語っており、それが印象に残っています。大人になってから観た方が、アムロやシャアの感情がよりわかるのではないか」と解説。
少年から20代後半となったアムロは、男の哀愁を背負ったキャラクター像としても描かれており、古谷さんは歴代女性キャラの中でも「(過去作に登場した)ベルトーチカが苦手で(逆襲のシャアに登場した)チェーンがドストライクでした」と語り、笑いに包まれました。
映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』をはじめ、富野総監督の作品といえば、「富野節」とも呼ばれる印象的な独特のセリフ回しが特徴。
池田さんは演じる中で「富野さんのセリフって、台本上では日本語として正しいの? と思うこともありますが、しゃべってみると不思議と活きてくるんです」と感じていたことを明らかに。
話題は原作小説版『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』へ移り、当時の担当編集者にして現・株式会社KADOKAWA 代表取締役副社長の井上伸一郎さんへ藤津さんが行ったインタビューの映像が公開。
井上さんは「当時は「逆襲のシャア」が最後のガンダムになるかもしれないという状況で、(映画に登場した少年時代の)ハサウェイの行く末が気になっていたんです。せめて小説で見てみたいという気持ちから富野さんに話を持ちかけたんですが、その話を聞いて富野さんはすごく静かで、そういう注文がくると予想をされていたと思いますね」と企画の成り立ちを説明されました。
映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』が公開されたころはSDガンダムブームもあり、シリーズの新しい形が見出されていましたが、原作小説版『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』は、累計部数130万部のベストセラーに。宇宙世紀の物語を渇望しているファンは、アニメ化を長らく渇望していたと藤津さんと小形さんらが解説されました。