あがり症克服に効果的な練習方法は?
ーー内容を10秒に区切るということ以外にも、荒木さんが実際に人前であがらずに話す対策として、実践していた方法などはあるんでしょうか?
荒木「そうですね、『鏡の前で話す』ことでしょうか。
簡単に思われるかもしれませんが、実は意外にできないものなんですよ! というのも、自分自身の視線を感じながら話すことになるからなんです。
あがり症の人は、人の視線を浴びることで緊張してしまうので、この練習方法は効果的だと思います。
それと……とにかく練習することですかね。
そもそも話すことに練習が必要であると思っている人が少ないので、皆さん練習をしないんですよ。
アナウンサーって人前で話すことが上手な人たちと思っている人が多いと思うのですが、実はそうではなくて、人前で話す為に練習や下準備を入念に行なっている、というだけなんです。」
ーー話すことに対しての練習をする際に、親が子どもに対してやってあげると効果的なことはありますか?
荒木「まずは練習をしっかりと見てあげることです。誰かに見られながら練習することで、うまくいけば自信にもつながりますし。
内容をしっかりと見てあげて、何かあれば指摘することも大切です。自分の中だけで『これでいいのかな?』と不安に感じていることもあがり症につながるので。
それと、先ほどとにかく練習すること、と言ったのですが、日常からたくさん子どもに話しをさせることで、話すことの練習をさせるというのも良いですね。
ポイントとしては、イエスノーで終わる質問ではなく、子どもが具体的に長く話すことができる質問をすることです。
具体的にという部分に関して例を挙げるとすると、子どもって『みんな持ってるもん!』とか『ちょっと食べただけ』などの曖昧な言葉を使いたがるんです。
そこをしっかりと『みんなって何人?』『ちょっとって何個?』と聞いて、数字に表して話させることで、相手に伝わりやすい話し方を自然と身につけることができます。」
本番直前はとにかく褒めることに徹する!
ーー確かに、それを行なうことでただ話すことの練習だけではなく、しっかりと相手に伝わる話し方を練習することができるんですね!
荒木「そうですね。親がしっかりと子どもの話していることを理解しているということがわかると、子ども自身も、話すことに自信を持つことができますしね。
あと、親が子どもに対してやってあげてほしいことは、人前で話す本番前などはとにかく褒めまくって、良い印象を持たせて送り出すことです。
やはり不安な状態で本番に臨むと失敗も多くなりますし、トラウマになってしまうこともありますから。
もしも失敗してしまったとしても、親が良かったところを見つけて良いイメージに上書きしてあげることで、『失敗を失敗と思わせない』ことも大切です。
頑張って練習したことはすべて次へのステップにつながっているということを教えていってほしいですね。」
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あがり症でうまく話せなかった……そう自信を失っている子どもの姿を見るのは大人としても心苦しいもの。
今回インタビューした荒木真理子さんの著書『あがってうまく話せない人でも大丈夫 10秒で伝わる話し方』は、そんなあがり症に悩む親子にとって嬉しいヒントがいっぱい!
『アナウンサーなのにあがり症』という意外な一面を持っていた荒木さんのエピソードもまじえることで、子どもも「自分もできるようになるのかも」と前向きに考えることができるようになるかもしれません。