[第20回]「もう、かっこつけなくていい」皆の前で泣いた…宮澤佐江、『王家の紋章』再演までの道のりと変化

もう…、重傷でした。やっぱりその場にも元基さんはいなくて。“もう、どうしよう…”と思っていたらマモ（宮野真守）さんが、

「大丈夫っ?! 」

って、来てくれたんです。それで、“うわ〜〜〜〜〜んッ（泣）”ってよけいに泣けてきて、

「お迎え…、まってました…」

って。1回泣き止んだけど、またすっごく泣けてきました。

ーーそうすると、話は元に戻りますが、再演では“机の下”から公開で泣けるくらいに、かっこつけない佐江ちゃんに変化した?

は、はい…。公開した（笑）。ハズカシィなぁ…、今考えたら!

ーーそういう姿は、なかなか家族以外に見せないんじゃないですか?

家族にも見せませんよぉっ! 「できない」なんて（笑）

中学生までは勉強ができないとか、「もぉ、テスト勉強やだ! 」って言いながら泣いてたけど。自立してからは、そんなことないです!

後輩が周りにいたら、そんな姿は見せられないって思ってたから。

甘えられる存在の方が、周りにたくさんいてくださったか
らこそです。“もう、かっこつけなくていいや”って、そう思えました。本当にカンパニーの皆さんのおかげです。

今回、稽古場で泣いてしまったときも、近くに（新妻）聖子さんがいてくださって。泣いた瞬間、母のように

「うん? どこ行く? トイレ行く?? 」

って。すぐトイレに連れて行ってくれたんです。

「佐江ちゃん大丈夫、大丈夫。落ち着いて、落ち着いて」

って。それで、聖子さんにバァーーーっと気持ちをしゃべって。。 本当に助けてもらってます。

初演と再演で何か変わったかといったら、ダブルキャストの聖子さんとの距離が、すごく縮まっていくのを感じてます。聖子さんと色んな話をして、ずぅーーっとしゃべってます。

初演の頃は私も初めての世界だったから、例えば待ち時間でも「これは何の時間ですか? 」って、失礼かなと思ってなかなか聞けなかったんです。

でも、今となっては2人で目を見合わせて、

“うんッ”

ってうなずくだけで、何が言いたいか理解できる関係性になってます（笑）。聖子さんに突っ込みを入れることもできるようになったし!

一緒にいる時間がすごく楽しくて、いつも助けてもらってます。聖子さんとは楽屋が同じだから、昼と夜の2回公演がある日は、必ず会えるんです。だから初演の公演中も、聖子さんとは一番コミュニケーションがとれていて。

そのコミュニケーションがあったからか、今回再演で久々に会ったときも、初めから色んな話をしていました。

ーーますます再演を観るのが楽しみで仕方ありません。