マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)を全部見てる勢のみなさん、こんにちは。
最初に断言しておきますが、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』の最大の見どころは、可愛いベビー・グルートではありません(もちろん可愛いですけど)。
また、ノリで銀河を救う話でもありません。
だから、安心して映画館に足を運んで、ボロボロ泣いて帰ってきて、2018年公開予定『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』に備えてください。
MCU史上最高にハートフルな物語
予告編を素直に見ればわかるとおり、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』は、一言で表現すると、登場人物それぞれの “ファミリー” の物語です。
ファミリーと言っても、文字通りの親子関係、兄弟姉妹の家族もあれば、仲間意識の強い集団を “ファミリー” と呼ぶこともあり、その形はさまざまです。
そして、そのひとつ一つに、深く込み入ったストーリーと、エモーショナルな要素があります。
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの面々は、
掠われて宇宙海賊に育てられたピーター・クイル(スター・ロード)
サノスに暗殺者として育てられたガモーラ
遺伝子改造でアライグマにされたロケット
家族を殺され復讐に生きるドラックス
「アイム・グルート」しか喋れずバカにされるグルート
と、自分の意志とは無関係に、自分の力ではどうしようもできない力によって、現在の境遇を生きるハメになっています。
(ガモーラの妹であるネビュラも、実はヨンドゥでさえも、同様です)
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの特徴である「ノリ」は、確かに我々観客を愉快にさせます。
が、「ノリ」は彼らの本音ではなく、少し大げさに言えば、逆境を笑い飛ばし、目を背けるために、生まれているもの。
私たちの社会でもそうですが、あまりに明るすぎる性格の人は、心の暗い部分を隠すために、あえて明るく振る舞っている、というケースが少なからずあります。
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』は、前作以上のノリと笑いを見せながらも、彼らのセンチメンタルな部分に、グイグイと迫っていきます。
試写を観ましたが、MCU映画でこんなにボロボロ泣いたのは、初めての経験です。
文句なしに、MCU史上、最高にハートフルな物語だと断言できます。
もちろん、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズの特長である、70年代を中心とする音楽も、健在です。