自分のデビュー11周年を迎える頃、改めて、“私は自分のために頑張っていたときがなかったな”って、思ったんです。
自分に自信がないから、“自分のために頑張る”というよりも、“周りの人の役に立ちたいから”とか、“誰かが喜んでくれるから”とか、“ファンの人が笑顔でいてくれるために”とか。そのために頑張ってきたなぁって。
いつも頑張っている姿を見せてきたけど、“自分のために頑張る”という思いを、これまで持たずにやってきたなぁって。今回の再演で、
“このままじゃ、本当に、私、ダメだ…”
って、稽古中に本当にまいってしまったときがあったんです。でもそのとき、
“この話を動かすのはキャロルなんだ。だから、私がキャロルとしてしっかり生きなきゃ、やっぱりダメなんだ”
って、すごく思えたときがあって。
“今、この板に一緒に上る人、一緒に作品を作る人たちのために、私はキャロルとして生きなきゃいけないんだ”
って。だから、余計周りの方たちのお芝居に敏感になれたというのもあります。
自分が一番頑張らなきゃいけない存在だって分かってるから、こういう言い方をすると、生意気に聞こえてしまうかもしれないけど、でも、やっぱり私は、
“皆のために、絶対、キャロルとして生きる”
って。改めてそう思えたんです。
ーー“自分のために”と、“皆のために”という葛藤から、抜け出せたきっかけのような出来事があったんですか?
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