もっとも重要なポイント。冷やしたひき肉に「塩」を混ぜてこねる

さて、ここがジューシーなハンバーグを作るポイントです。
といっても簡単ですよ。よく冷やしたひき肉に、塩を混ぜてこねるだけ。

冷凍しておいたひき肉なら、完全に解凍する寸前のものを。買ってきたばかりのひき肉なら、冷凍庫に10分ほど入れて表面が少し凍るくらいまで冷やすとなおベストです。

こうすると、なぜ、ジューシーなハンバーグになるのか。
それは、塩を加えることによって、脂身の中の脂肪分が乳化(マヨネーズのような状態になること)して脂と肉汁を逃がさなくなるからです。

すり下ろしたタマネギが入ったボウルに、冷えたひき肉を入れ、塩を小さじ1加えます。

ジューシーなハンバーグを作るポイント。冷たく冷やしたお肉に、「塩」をかけます。
まだ少し凍っているひき肉に、塩をかけたところ

塩を加えたら、ひたすらこねましょう。このレシピの場合、ハンバーグのタネがゲル状になるので、スプーンなどでこねれば、手が汚れません。フードプロセッサーをお持ちの方は、機械で処理しても大丈夫ですよ。

ハンバーグのタネが白っぽいのがわかるでしょうか。お肉の脂身と赤身が完全に混ざるまでスプーンなどでこねてください。

ハンバーグのタネの仕上がりの目安は、脂身と赤身が完全に混ざって、白っぽくなる状態です。
次は「焼き」の作業に移りましょう。

ふつうのハンバーグに比べてタネがゆるいので、大さじのスプーンですくってフライパンの上で整形すると失敗がありません。

ハンバーグのタネの焼き方です。厚さ1センチ程度のタネなら、まず中火でフライパンを温めておき、片面を1分ずつ焼きます。

厚さ1センチのハンバーグの種なら、中火で片面を1分ずつ。今度は弱火にして片面4分ずつ焼き上げます。

両面を焼いたら、次に弱火に落として、片面を4分ずつ焼きます。
慣れると、きちんと火が通っているのがわかるようになりますが、竹串やフォークを刺してみて、透明な肉汁が出てくるかたしかめるとよいでしょう。

透明な肉汁が出てくるなら焼き上がりです。

いい感じに焼き上がりました。

さて、焼き上がったハンバーグに包丁を入れてみます。

断面から、肉汁がたっぷりあふれてくるのがおわかりいただけるかと思います。

ジューシーなハンバーグを作るためのポイントをおさらい

では、最後にもう一度、ジューシーなハンバーグを作るためのポイントをおさらいしましょうか。

1.ひき肉は可能な限り冷やしておく。(冷凍庫に10分くらい入れて、ほんの少し凍るくらいがベスト)

2.ひき肉をこねる前に、塩を加える。

3.赤身と脂身が完全に混ざり合って、ハンバーグのタネが白っぽくなるのがこね上がりの目安

4.中火で片面を1分ずつ焼く。今度は弱火で4分ずつ焼く。(あまり強い火で焼くと、肉汁が逃げる)

いかがでしたか? ふだんハンバーグを作る時とそんなに変わらないですよね。たったこれだけのコツでおいしさが断然違ってきます。手間は同じだったらおいしいほうがいいに決まってますよね。

ぜひ、ハンバーグを作るときは試してみてくださいね。

福岡県北九州市生まれ 93年から週刊誌・書籍のライターとして活動。救急医療の現場取材・社会保障問題といった社会派な記事から料理、食べ歩き、映画論評まで執筆ジャンルは様々。児童文学作品を上梓する傍ら、フードコーディネーターとしてメニュー開発なども行う。近著に「さぼちゃんのおぼうし」「うちの職場は隠れブラックかも」。ブログ