ローストビーフ以外のサンド&コーヒーも絶品!

『女たちよ!』に、炒めたベーコンが入ったサンドウィッチに関する一文がある。

「うっかり端を銜(くわ)えて引っぱろうものなら、ベーコンというやつは決して途中で切れないから、中身が巻添えを食って全部外へ零(こぼ)れてしまったりする」

と。
だから「ベーコンはこまかく切っていれよう」と伊丹十三は諭している。

ベーコンでさえ食べにくいのだから、筋が多いローストビーフのサンドウィッチには細心の注意を払う必要がある。

そこでこの店では本社から届いたブラックアンガスビーフを丁寧に掃除し、筋をきれいに取り除いたものをローストビーフにしている。

仕上げたローストビーフを事前にカットしておいたほうが、効率的のはずである。けれど、それだと肉が乾きやすく、あまり旨くないものを供するはめになる。

この店では注文毎に、ローストビーフをスライサーで薄く切り、サンドウィッチを作る。だからしっとりとしたローストビーフサンドを提供できるというわけだ。

あっさりとした味付けでなので、塩味をきかせたフレンチフライと交互に食べるとより美味しく賞味できる。

ローストビーフサンド以外のサンドウィッチも食べたくなったので、「アンチョビ&ゆで卵サンド」をフルサイズで頼んだ。

サニーレタスとトマトの間にゆで卵がはさんであり、こちらも三階建て。

アンチョビ&ゆで卵サンド/フルサイズ1080円、ハーフサイズ540円

「女性だとハーフサイズを頼まれる方が多いです」(佐々木店長)

この日、数時間前に、上野のコリアンタウンで焼肉定食を食べたばかりだったので、ローストビーフサンドとアンチョビ&ゆで卵サンドをハーフずつ食べた。

それぞれ半分ずつ残ったので、佐々木さんが箱に入れて持たせてくれた。
そう、この店ではテイクアウトもできるのだ。

「エスプレッソ」も自慢だというので、頼むことにした。
イタリアはラ・チンバリー社のエスプレッソマシーンを愛用。豆はエチオピア産。
高価なエスプレッソマシーンを使いこなしているおかげで、エスプレッソもなかなか。

エスプレッソ200円

ランチもいいが、夜も魅力的だ。
自慢のローストビーフを食べながら、ビールやワインの他、ハイボールやレモンサワー、カクテルなども注文できる。

ローストビーフ以外のつまみもそろっている。
ティラミスやジェラートの用意もあるので、肉好きの女性を誘っても喜ばれるはずだ。

肉党としては次回は、ローストビーフサンドのフルサイズに、「生ハム&マスカルポーネサンド」(フルサイズ1380円、ハーフ690円)も頼むつもりだ。
旨いサンドウィッチは、三階建てに限る。

ミートファクトリー&カフェ亀戸

東京都江東区亀戸2-25-4
03-5875-3925
10時~23時(LO22時半) 火曜休

東京五輪開催前の3歳の時、亀戸天神の側にあった田久保精肉店のコロッケと出会い、食に目覚める。以来コロッケの買い食いに明け暮れる人生を謳歌。主な著書に『平翠軒のうまいもの帳』、『自家菜園のあるレストラン』、『一流シェフの味を10分で作る! 男の料理』などの他、『笠原将弘のおやつまみ』の企画・構成を担当。