これだけはダメ! 泳げない子どもへの禁句

松永さんが子どもに泳ぎを教えてきたなかで、子どものやる気をなくさせてしまった失敗がひとつあるそうです。

「ふざけて全然練習をしたがらないので、つい、“なんでふざけるの!”と怒ってしまったら、すっかりやる気をなくしてしまいました。

泳ぎに限りませんが、子どもは強制させられていると感じると心をシャットダウンさせてしまいます。その後はそういう言い方をしないようにしました」

「なんでできないの?」と言われた子どもがとたんにやる気をなくす場面は、子育てではあるあるですよね。そういう意味では、保護者がよく言ってしまいがちな禁句でもあります。

「保護者には“泳げなかった子が泳げるようになるにはある程度の時間がかかる”としっかり説明したうえで予約を入れてもらっています。

また、レッスンの後に家で“今日はそこまでしか進まなかったの”などと言われてしまうと、泳ぐことに対するモチベーションが落ちてしまいます。ですから、“子どものやる気をそぐような声がけはしないでください”とも伝えています」

松永さんに水泳のレッスンを依頼する家庭のお子さんは、それまでスイミングスクールなどに通っていて、集団での進度についていけなかった子がほとんど。

なかには水泳が苦手なあまり体育の授業が嫌いになってしまった小学生高学年の子どももいましたが、数ヶ月かけて無事に泳げるようになったそうです。

泳げない子どもの心の根底には水への恐怖があります。それをその子のペースで取り除いてあげることが、泳げるようになるための第一歩。

これは、勉強など他のことにも当てはまりそうだと思いましたよ。

【取材協力】松永たかひろさん

1996年8月20日生まれ。
2018年7月からキッズラインにて、ベビーシッター・水泳指導者として活動を開始。
現在は、フリーで活動中。