小林「選び方としては、ブランドや価格の高さで選ぶよりは、何が入っているのか、有効成分を確認して選ぶとよいでしょう。

美容液は、使用用途によって選びます。例えば、美白したいなら、美白成分が入った美容液を選ぶ。容量は少ないですが、やはり濃厚に作られていますし、使っているという安心感はありますよね。

ただ、スキンケア全部に美白成分が入っている必要はありません。美白化粧水などもありますが、美容液なら美容液、クリームならクリーム、というように1点集中で、求める有効成分が入っているものを使うとよいでしょう。

ピーリングに関しては絶対悪とまでは言いませんが、長期的に考えるなら、それを頻繁に使うと、肌にとって負担が大きくなってしまいます。

本来、ピーリングは、ある程度皮膚の深いところまでピーリングすることで、ターンオーバーを促進させるのが一番の目的です。けれども市販品の場合は、肌表面の薄い部分、角層を剥ぎ落とすだけなので、効果に限界があるのです。

たしかにピーリングの後は、ゴワついた肌がつるっとするような実感があります。でも結局ターンオーバーは毎日繰り返されているので、その場しのぎの方法でしかなく…。それは毛穴パックも同様です。

デイリーユーズではなく、勝負の日の前日に使うなどして、あまりそれに頼りすぎないほうがよいでしょう」

最も大切なのは睡眠。美肌の維持をサポートする栄養素をしっかりとりたい

――不規則な生活になりがちな人も、「これだけは気をつけたい」という習慣は何でしょうか。

小林「当たり前のことになってしまいますが、一番は睡眠です。仕事で帰りが遅くなったり、仕方がない部分はあると思いますが、周りの話などを聞くと、夜遅くにスマホをやったり、TVを観たりしてダラダラしてしまうことも多いようです。

私の妹も、夜中の2時3時まで起きていて、2~3時間何をしたのか不明…というような過ごし方をしています。それが積もり積もって、睡眠不足を招いているのではないかと思われます。

自分が試してみて一番よかったのは、『スマホをするのは何時まで』というルールを作り、時間が来たらスマホから離れる方法です。スマホのブルーライトは、かなり睡眠の質を悪くすると言われていますよね。今は6カ月の息子に合わせて夜10時くらいには寝ています。

睡眠の質を上げるには、寝る前にストレッチをしたり、音楽を聴いたり、といった習慣をなにか1つ取り入れるとよいでしょう。赤ちゃんを寝かしつける際に絵本を読み聞かせたりする『入眠の儀式』のように、自分の中で習慣を作ると、自然と寝るモードになり、すっと眠れるようになります。

それから、日本人では男女を問わず、亜鉛不足の傾向があり、それが睡眠の質を下げる一因になっているかもしれません。亜鉛にはビタミンAの働きを助ける作用がありますし、いつもより少し積極的にとるというのも、1つの方法です。

亜鉛は、お肉やキノコ類(特に乾燥したもの)などに多く含まれます。牛肉としいたけなどキノコ類のオイスター炒めやしぐれ煮等にしてもよいでしょう。亜鉛を摂ることで睡眠の質も向上しますし、肌にもいいのでおすすめですよ」

『皮膚科医が実践している「極上肌のつくり方」』では、このほかにも、肌をキレイにする食事・生活習慣がたくさん紹介されています。ぜひ参考にして、肌にいい生活をめざしてみてはいかがでしょうか。

ライター/女子栄養大学 食生活指導士1級。学生時代からさまざまな体調不良に悩まされたこともあり、健康的な生活習慣について学び始める。現在は専門家を中心に取材活動を行い、おもに食、健康、美容、子育てをテーマにした記事を発信。乗りもの好きな1男の母でもある。