食後に起きる眠気によって家事や仕事に集中できず悩んでいませんか? その眠気は血糖値スパイクが起きているサインかもしれません。
血糖値スパイクは放置するとさまざまな病気につながる可能性があるため、早めの対策が重要です。
この記事では、食後に眠気を感じる原因や日常生活で実践できるセルフケアを紹介します。
食後の眠気が起きるメカニズム
食後の眠気には、いわゆる「血糖値スパイク」が大きく関係しています。血糖値スパイクとは、食後に血糖値が急激に上がったり下がったりする状態のことです。
通常、炭水化物を摂取すると血液中のブドウ糖が増加します。するとからだはインスリンを分泌して血糖値を下げようとします。しかし、血中のブドウ糖が急激に増加するとインスリンも大量に分泌されるので、結果として血糖値が急降下してしまい、眠気やだるさにつながるのです。
血糖値スパイクが繰り返されることで、血管や内臓に負担がかかり、糖尿病や動脈硬化、心筋梗塞などのリスクを高めます。(※1)
血糖値スパイクにつながりやすい要因
血糖値スパイクには日々の食習慣が深く関係しています。血糖値スパイクにつながりやすい代表的な要因を解説します。
1.主食を多く摂る
ご飯やパン、麺類などの主食に含まれる炭水化物を多く摂ると、血糖値が急激に上昇しやすくなります。炭水化物は胃や小腸でブドウ糖に分解されるため、血液中のブドウ糖濃度を上げやすいのです。
たとえば、ラーメンやおにぎりなどの炭水化物のみの食事をよく摂っている場合、血糖値が上がりやすくなります。
2.早食い
早食いも血糖値スパイクにつながる要因のひとつです。食べるスピードが速いと、食べ物が速やかに消化管に入り、糖が一気に血中に送り込まれやすくなります。
また、早食いの場合、満腹を感じる前に大量に食べてしまいがちなことも、血糖値が急激に動いてしまう原因のひとつです。食事を手早く済ませがちな場合は注意しましょう。
3.甘い物をよく摂る
甘い飲み物やお菓子をよく摂ることも血糖値スパイクにつながる要因です。甘い物に含まれる糖質は速やかに吸収されるため、血糖値を上げやすいのです。
食事中に甘いジュースを飲む、間食にお菓子をよく食べるなどの習慣を続けていることで、血糖値スパイクが起き、食後に眠気が生じやすくなります。
すぐにできる!食後の眠気対策5選
食後の眠気の軽減や予防のために、日々取り入れやすい5つの対策をご紹介します。ひとつでもいいので今日から始めてみましょう。
1.野菜から先に食べる
まずは野菜から先に食べる「ベジファースト」を意識しましょう。野菜に含まれる食物繊維は、糖の吸収をゆるやかにし、血糖値の急上昇を抑える効果が期待できます。
具体的には、サラダやスープなどの野菜を最初に食べ、そのあと肉や魚、卵などたんぱく質のおかず、そして最後にご飯やパンなどの主食を摂るようにしましょう。こうすることで、血糖値の波を穏やかにできます。
ただし、根菜類やいも類、かぼちゃ、とうもろこしなどの甘みのある野菜は糖質を多く含んでおりベジファーストには向きません。葉物野菜やきのこ類などから食べるようにしましょう。
2.よく噛んで食べる
ゆっくりよく噛んで食べることも、食後の眠気対策には有効です。よく噛むことで食べ物の消化を助けて血糖値の上昇を緩やかにするとともに、満腹中枢が刺激されるため、食べすぎの防止につながります。
たとえば、一口食べたら箸を置く、最低でも20~30回噛むことを意識するなど、噛む回数を増やす工夫をしましょう。
3.低GI食品を摂る
血糖値の上昇がゆるやかな食品「低GI食品」を選ぶことも、食後の眠気対策に有効です。GI値とは血糖値の上がりやすさを示すGlycemic Index(グリセミックインデックス)の略です。
具体的には、玄米や雑穀米、全粒粉パン、そばなどが低GI食品として挙げられます。逆に、高GI食品には白米や食パン、うどん、じゃがいもなどが該当します。
ただし、糖質はからだに必要な栄養素です。高GI食品を極端に避けるのではなく、白米を雑穀米に代える、食パンではなく全粒粉パンを食べるなど、バランスをとりながら低GI食品を日々の食事に取り入れましょう。
4.毎日3食摂る
食事の間隔があくと、空腹で血糖値が低い状態から急に血糖値が上がる反動が起きやすくなり、血糖値スパイクを起こす可能性が高まります。
とくに、朝食を抜く習慣があると、昼食で糖質を一気に摂ってしまい、食後の眠気につながりやすくなります。食事のタイミングを整え、空腹の時間が長くなりすぎないようにしましょう。
5.食後に運動する
食後に軽い運動をするのも、食後の眠気対策に効果的です。食事の1~2時間後にからだを少し動かすことで、ブドウ糖が細胞に取り込まれやすくなります。これにより、血糖値の上昇が抑えられ、眠気やだるさの軽減につながります。
具体的には、食後10分程度のウォーキングや階段の上り下りなどの有酸素運動、軽めのストレッチなどがおすすめです。激しい運動をする必要はないため、無理なく続けられる運動を始めてみてください。
食後の眠気対策には漢方薬もおすすめ
食後の眠気やだるさがなかなか改善しないと感じる場合、漢方薬を活用するのもおすすめです。漢方薬は心とからだのバランスを整え、不調の根本原因からアプローチします。自然由来の生薬でできており、西洋薬よりも副作用が少ないとされています。
食後の眠気対策には「胃腸の働きを高める」「血流をよくして、脳やからだに栄養や酸素を行き渡らせる」「自律神経の乱れを整えて、睡眠の質を改善する」などの働きがある漢方薬を選びましょう。
<食後の眠気対策におすすめの漢方薬>
・補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
胃腸の働きを助けることで、消化・吸収を高め、からだに栄養を行き渡らせて体力を回復させます。気力がわかず、だるくてなかなか疲れがとれない方におすすめです。
・六君子湯(りっくんしとう)
胃腸の働きをよくするとともに、停滞している水分の巡りに働きかけて機能を改善します。胃腸が弱く、疲れやすい方におすすめです。
スマホで気軽に専門家に相談できる「あんしん漢方」のような、オンライン個別相談も話題です。あんしん漢方はAI(人工知能)を活用し、漢方のプロが効く漢方を見極めて自宅に郵送してくれるオンライン漢方サービス。
スマホで完結できるので、対面では話しづらいことも気軽に相談できますよ。お手頃価格で不調を改善したい方は、医薬品の漢方をチェックしてみましょう。
小さな工夫で毎日を健康に
食後の眠気は、血糖値が乱高下する血糖値スパイクが関係しています。主食の摂りすぎや早食い、甘い物の習慣が要因となるため、食べ方を少し工夫することが大切です。食事の摂り方や内容を見直すことで改善できる可能性があります。自分に合ったセルフケアを無理なく続けていきましょう。
<参考文献>
※1 社会福祉法人恩賜財団済生会「血糖値スパイクを予防しよう ──糖尿病になる前に対策を!」
<この記事の監修者>
医師
木村 眞樹子(きむらまきこ)
都内大学病院、KDDIビルクリニックで循環器内科および内科に在勤。総合内科専門医・循環器内科専門医・日本睡眠学会専門医。産業医として企業の健康経営にも携わる。
自身の妊娠・出産、産業医の経験を経て、予防医学・未病の重要さと東洋医学に着目し、臨床の場でも西洋薬のメリットを生かしながら漢方の処方を行う。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行う。




























