がむしゃらに頑張るだけじゃなく、メンバーで話し合うことも増えました

──そんなグループの歴史が詰まった作品になっていますが、ターニングポイントだなと思うことをそれぞれ教えてください。

守屋「私たちにとってどの瞬間も1つ1つが大きくて、決めるのが難しいですけど『不協和音』は大きかったなと思います。

『サイレントマジョリティー』と並んで私たちのことを 知っていただけた作品でしたし」

小池美波

小池「'17年の紅白歌合戦はメンバーの意識が変わった瞬間かなって思います。私たちもずっと平手(友梨奈)に頼っていたんだなって気付きましたし、1人1人が強くならなきゃいけないんだなって気付かされた場所だったので」

小林「'18年の2ndアニバーサリーライブは今までセンターをやっていた平手が出られなくなって、違うメンバーがセンターを担ったんですけど、メンバーが欠けてもいいものを届けなきゃいけないなっていう責任感を感じたライブだったんじゃないかなと思います」

菅井「'17年の欅共和国は思い出深いライブです。その直後くらいから平手がなかなか思い通りにできないということがあって、グループ的にもちょっとどうすればいいのか分からなくなってきた時期でもありました。

意見の食い違いとかがあったわけではないんですけど、より1人1人がどうしたらいいのか考えるようになった時期だったと思います」

渡邉「今年の初めに平手の脱退が発表されて、今まで以上にいろんなことを考えることも増えたなと思います。

私たちが今まで以上にグループを担っていかなきゃいけないんだと思ったので」

原田「'18年の欅共和国から全国ツアーにかけてのころは、ただがむしゃらに頑張るだけじゃなくて、メンバーみんなで話し合うことも増えてきて、そういう意味ではターニングポイントだったかなって思います」

『僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46』9月4日公開 ©2020「DOCUMENTARY of 欅坂46」製作委員会

──このタイミングでドキュメンタリー映画が公開されることについてはどう思われますか。

守屋「欅坂46にとって今こそターニングポイントでもあると思いますし、私たちもいろんな気持ちを整理できるきっかけになるなと思います。

欅坂46の新たな可能性を見つけていけたらいいなと思うので。ファンの方にはいろいろ心配させてしまったこともある分、期待していてほしいです」

小池「映画で今までのことを語られるのをきっかけに、新たな欅坂46を楽しみにしていただけたらいいなと思います。そういうタイミングになる素敵な映画を作っていただけてありがたいです」

小林「今まで応援してくださっていたファンの方はこれからの活動に不安を持っている方もいらっしゃるかも知れないですけど、これからも欅坂46として素晴らしい時間を見せてあげたいなという気持ちが大きいです」

4月の公開予定が延期となっていた欅坂46初のドキュメンタリー映画「僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46」が9月4日(金)に公開。

ここからは8月に取材が行われた小林、菅井、渡邉の追加インタビューをおくる。

『僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46』9月4日公開 ©2020「DOCUMENTARY of 欅坂46」製作委員会

改名発表のシーンも加わって、より濃い映画になりました

──公開延期されていた映画が追加映像も加えていよいよ公開されることになりました。

菅井友香

菅井「世界的な状況もあったので、公開延期は受け止めるしかなかったです。

ファンの皆さんにはお待たせしてしまった分、より楽しみにしていただきたいなと思いました。

この間、グループの状況も変化していきましたけど、それも全部収めていただいているので、映画もより濃いものになっていますし、この先の私たちを感じていただけると思います」

小林「4月に公開されていたら、そこでできていた活動もあったのかなと思ったりもしましたけど、逆にその先のことも映画にしていただいたので、そこもファンの方に知っていただくことで、また新たな道を進むための材料になったかなと思います」

渡邉「今年に入ってから私たちになかなか動きがない中、映画が4月に公開されるということで楽しみに待ってくださっていた方も多かったかなと思いますけど、延期になってしまって。

でも、初期の映像から配信ライブの模様まで入れていただいたので、その瞬間瞬間を楽しんでいただけたらうれしいなと思います」

──配信ライブでの改名発表のシーンが追加映像で加えられましたね。

菅井「改名について最初は、そんなことってあるんだ?っていうのが正直あったんですけど、スタッフさんやメンバーと話し合っていくうちに、その選択もグループの未来のためにはいいことなんじゃないかってだんだんと思えてきました。なので、発表のときにはそれをどう伝えるかというのをすごく考えていて。固まっているとは思っていたんですけど、話しているうちにこみ上げてしまう瞬間はありました。

5年間は大切なものだったし、欅坂46というものに対する誇りとか思いが強かったんだなって、改めて感じてました。

でも、今は本当に大好きなものを敢えて手放して次のステージに向かう可能性に賭けたいなっていう楽しみな思いはあります」

小林 由依

小林「最初聞いたときはそれがいいことなのか自分では分からなかったし、これからどうなっていくのかっていうビジョンが全く浮かんでこなくて不安はありました。

でも、これからもこのメンバーで一緒に続けていきたいっていう思いがあったので、また違う場所で一から作り上げるときにその強い思いを発揮して、また皆さんに応援してもらえるようなグループになっていけたらいいなと思いました。

改名が決まったときにはもう気持ちを切り換えてましたけど、やっぱり配信ライブのリハーサルをしているときに、ふと寂しいなと思ったりはしました」

渡邉「欅坂46として改名せずにやっていくことも考えたりしたんですけど、改名することによっていいこともたくさんあるなっていう希望もすごく分かってはいたので、前向きというか楽しみな気持ちではいました。

改名することは悪いことじゃないっていうことを応援してくださる方にも分かっていただきたいっていうのはありますし、このメンバーとだったら名前が変わったとしてももっともっと上に行けるなって強く思っているので、これからが楽しみだなっていう気持ちです」

──小林さんと渡邉さんは菅井さんの発表をどんな気持ちで聞いていましたか。

小林「私はいい意味で”無”でした。話を聞いて今までのことを振り返るでもなく、次の曲がもっと響いてほしいなっていう思いで、ただただ前を見ていた感じでした」

渡邉「私もどちらかというと、無に近い感覚でした。悲しいとか寂しいという感情よりは、前向きな決意のほうが大きかったです」