4歳以降

文字を書くことに興味を持ち、お友達にお手紙を書くなどし始めたら、鉛筆の持ち方と筆順を教えましょう。

(正しい鉛筆の持ち方の図)

絵はどこから描いても自由です。けれども、文字は「これこれこういう順番で書くと余計な手の動きしないで、正しく整った美しい文字が書けます」とルールがあります。これが筆順です。

「上から下、左から右」です。道路の一方通行のようです。下から上、右から左に書くことはありません。(※数字の「0」、カタカナの「シ」など例外はありますが、これは例外として取り出して教えるようにします)

もし、子どもが変な持ち方をしているとき、「その持ち方はダメ!」とか、間違った筆順で書いているとき「何度言ったらわかるの!もう一回、やり直し!」と叱ってしまうと、文字を書くことが嫌いになってしまいます。

持ち方は「こう持った方がカッコいいよ」。筆順は「この順番の方が書きやすいよ」とか「道路の一方通行と同じで、決まりがあるのよ」と、出来るだけ肯定的に伝えましょう。

また、この頃の子どもは年長者に対して憧れを持っていて「お兄さん、お姉さん扱い」してもらいたがっています。「お兄さんの書く順番で書いてみよう」「お姉さんの持ち方をしてみよう」と言ってみてもよいかもしれません。

あ・い・う・え・おと書かせてもつまらない

何の意味もない単なる記号である「あ」「い」「う」「え」と何文字も練習してもつまらない単調な練習時間になってしまいます。

ですから、難しい易しいという大人の感覚ではなく、子どもが書きたいと文字から書かせましょう。

それはおそらく単体のひらがなではなく「あんぱんまん」とか「うさぎ」「いちご」や自分の名前など好きな言葉だったりします。

言葉を書いた方が「字を書いた!」という達成感もあり、いずれ作文を書くときに言葉として書くことにつながりますので、バラバラで書かせず、意味を持つ言葉として書かせるようにしましょう。

一回にどれくらい書かせばよいのか

言葉として好きな文字を書くことを経た後は一字一字、練習する段階になります。一年間は月4週×12ヶ月ですから合計52週くらいあります。ひらがなは全部で46文字です。

そう考えると“一週間に新しい文字は一文字進む”というのんびり、ゆっくりのペースで十分です。

また、「もうこれ以上練習したくない!」と飽きるほどやらせてはなりません。「もっと練習したいな」の気持ちを持っているところで止めておきましょう。時間としては10分以内です。すると、また明日続きを練習したくなるから不思議です。

子どもにとって文字を書くことは、音楽や絵画などと同じ表現活動です、義務教育でなくても幼稚園や保育園の活動で取り入れてもらいたいものです。何故ならば、子どもの自己表現方法を増やすという意味でも大切なことだからです。

子どもが友達にお手紙を書きたくなった、とします。それは自分の気持ちを相手に伝えたいからで、その表現としてひらがなを使って書く。これは自己表現そのもので、これが他社とのコミュニケーションにもつながっていきます。

けれども、ひらがなは「字形」「筆順」「鉛筆の持ち方」など理に叶ったルールがあります。ここをうまく伝えていくことが肝心です。人生のはじめに「文字を書くことは苦痛だ」という負の感覚を持たせないように、上手に周りの大人が導いていきましょう。