入学時点でひらがなが読める子は今や9割に上ると言われています。何だか焦りますよね。担任の先生も“文字は小学校に入ってから”という建前とは別に、読み書きできること前提に授業を進めて行きます。わが子が入学直後からつまずかないためにはどうしたらよいのでしょうか?
『きれいに書けるおうちレッスン ひらがな』の著者の立石美津子がお話します。
幼稚園、保育園で教える?家庭で教える?
まだまだ、可愛い幼児のわが子。でも数年先には小学生になります。
今の時代、小学校入学時に「自分の名前が読めません、書けません」という子どもはあまりいないのが実際ですね。
主婦の友社読者ネットアンケートクラブ会員によるWEB調査。
- ひらがな・カタカナ 全て読めて書けていた 45.91%
- ひらがなは全て読めて書けていた 21.42%
- ひらがなは読め、半分以上の文字は書けていた 14.28%
- ひらがなを読めるけど、数個しか書けていなかった 7.14%
- 自分のなまえや特定の文字などのみ読めていた 9.18%
- 文字はほとんど読めない状態だった 1.02%
- その他 1.02%
幼い頃から絵本や町中の看板、スマホなどで文字に触れることが多い現代の子どもは、早くから興味を持つ環境で暮らしているからかもしれません。
通わせている幼稚園、保育園で文字を教えてくれる場合はちょっと安心です。でも、そうではない場合、K○○式などの幼児教室に通う、また時間的にも金銭的にも余裕がなかった場合、家庭で親が教えなくてはならない事態に陥ってしまいます。
ひらがなっていつから、一体、どんな手順で教えたらよいのでしょうか?
学校説明会では「何もしなくていい」と言われる
小学校の入学説明会に行くと校長先生から「幼児期にお先走ってご家庭でいろいろ勉強させてこなくても大丈夫です。入学後にしっかり学校で教えますから」と話があります。
保護者もホッと一安心します。
けれども、学校側の真意は…
- 「全く何もしないでいい」ということではない。絵本の読み聞かせをしてもらうことなく、ひらがなに触れたこともなく、数を数えた経験が全くない、とは思っていない
- 教育熱心過ぎる親があれこれ子どものことをいじくり、やらせ過ぎていて、子どもが学習に対して全く興味を失っている状態は避けてほしいと思っている
- 親が中途半端な教え方をして筆順をメチャクチャに書くなど、却って変な教え方、間違った教え方をしてほしくない。入学後の教え直すのが大変
確かに学校側がこう考えてしまい、説明会で保護者に釘を差すのもわからないでもありません。でも、実際、クラスの大多数の子ども達がある程度のひらがなの読み書きが出来る状態で入学してきたら、担任の先生は大多数に合わせて授業が進めていきます。
自治体によっては幼稚園と小学校の一体化を考え、幼児期から椅子に座る練習+勉強的要素を推奨しているところもあります。
そういう意味ででもある程度、ひらがなの読み書きを教えておくとよいでしょう。
次に具体的な方法をお話します。年齢はあくまでも目安です。お子さんの興味・関心や発達段階に合わせて応用してくださいね。
3歳くらいまでは
クレヨン、鉛筆、ボールペン、マジックなど子どもが描きたいように絵でも図でも文字でも自由にやらせてあげましょう。もし、ひらがなを書いて筆順が少し違っていても、定着するほどではありませんから、あまり親が神経質になって矯正することはありません。
一定の枠や升目に書くことはさせないで模造紙のような大きめの紙を用意し、思い切り描く楽しみを体験させましょう。
この時期は「文字を書かせる」というよりも、絵本や街中の看板を読んで「文字を読ませる」という経験が大切です。
「これなんて読むの?」と聞いてきた、「三井住友銀行」「冷やし中華」「ラーメン」などひらがな、カタカナ、漢字に限らずドンドン答えてあげましょう。字形の認識が出来て初めて“書くこと”ができます。人の顔も見分けがつくわけですから文字の読みわけもできますよ。