お小遣いの与え方は子どもの性格を見て決める!

私が高校生だった頃のお小遣いは月2万円でした。

多いと感じる人も多いかもしれませんが、その中から学校の授業料を払い、文具や教材費、趣味や洋服、部活で使うものなどすべてをまかなっていました。

多い感じはしませんでしたが、足りなくなることもなくこのお小遣い制にとても満足していました。

しかし母が弟に同じようにしたところ一週間で足りなくなったため、弟は週に一度のお小遣い制に変わりました。

お金の管理(やりくり)にも得意不得意があり、自分に合わないやりくり法は大人でも難しく感じられるものです。

子どもの性格に合った方法を見つけるのもお小遣いの目的です。「正しい方法」は子どもによって異なります。

子どもがコントロールしやすいお小遣いの与え方を臨機応変に対応していきましょう。

高校生になったら「大人扱い」をしよう!

2022年4月1日から成年年齢が20歳から18歳に変わります。2022年4月1日に18歳、19歳に達していたら、その日から「成人」ということです。

高校卒業後の進路は未定ですが、入学から3年後には「親元から離れて自立する」を親子とも意識しておくと、卒業間際になって「もっとお金のことを教えておけばよかった……」「何も教えてないから一人暮らしが心配」ということが避けられます。

「自立できるように」といっても難しくはありません。ポイントは3つ、基本は家計と同じです。

1: いざという時のために貯金の習慣を作る(子どもが使える口座がなければ開設する)

家計では緊急予備費として給料の2~3か月分の貯金は必須です。

子どももお小遣いを使い切るのではなく、いざというときのために月の23か月分は口座に貯蓄するようにしておき、使ったら補充できるように声掛けをしていきましょう。

2: お小遣いでまかなう範囲を広げて、やりくりを任せてみる

入ってきたお金の中で、計画的にやりくりをする体験を積み重ねます。

スマホの支払いや、趣味、交際費など、その都度お金を渡すのではなく、お小遣いの範囲からやりくりさせてみます。

そうすることでお金との関わり方を親子ともに知ることができ、できないことや苦手なことがあれば、親元にいるうちに、その子に合ったやりくり法を考えることができます。

3: 貯金ができるようになったら「投資」に挑戦してみる

20歳未満は未成年口座を開設することで投資にチャレンジすることができます。

毎月のお小遣いの中から500円でもいいので、「好き」「身近に感じる」「応援したい」企業などを選び、積み立てで株を購入し、「増やす」ことの体験を積めると良いですね。

お母さん向けのセミナーで一番聞かれるのはやはり「お小遣い」のこと。

「何を」「どのように」伝えたら良いか迷い、子どもの年齢が上がるごとに悩みは深刻化しているのがうかがえます。しかし、それぞれの家庭の事情やお子さんの性格も違うため「正しい答えはない」というのが答えです。

そんなとき指針の一つになるのが、親の役割は「子どもの自立に向けて、失敗経験を含めた多くの体験をさせること」です。小さい頃のお金の失敗は金額が小さくて済みますが、年齢が上がると失敗の金額は大きくなります。

「貯金」「やりくり」「投資」などを通して、子ども自身が多様なお金とのつきあい方を経験し、より良い方法を見つける手助けができるよう、親もお金のことを学んでいきたいですね。
 

おおが かよ FPキャンバス株式会社 代表
キッズ・マネー・ステーション認定講師/ファイナンシャルプランナー

学校の先生だった経験を生かし、お母さんと子どもの「お金の先生」として、子育て家計の相談や、120日の見直しプログラムを行っています。

「見えないお金」が増えている現代社会の子供たち。物やお金の大切さを知り「自立する力」を持つようにという想いで設立。全国に約300名在籍する認定講師が自治体や学校などを中心に、お金教育・キャリア教育の授業や講演を行う。2023年までに2000件以上の講座実績を持つ。公式サイト「キッズ・マネー・ステーション