普段、乳幼児をマイカーに乗せる際、チャイルドシートに座らせていることでしょう。

日本では1歳くらいまでは後ろ向きチャイルドシートを使用するのが推奨されていますが、年齢については、国によって異なり、2歳まで、3歳まで、4歳までが良いなど、さまざまのようです。実際のところ、年齢に関わらず、子どもにはできるだけ長く後ろ向きチャイルドシートに座らせるのがいいようです。

そこで今回は、後ろ向きチャイルドシートのそもそもの意味や、子どもに後ろ向きチャイルドシートが必要な理由、チャイルドシートの正しい設置方法、妊婦のシートベルトの装着法などを、スウェーデンの自動車メーカー「ボルボ」の研究所の見解からご紹介します。

そもそもチャイルドシートを「後ろ向き」に設置する意味は?

ロッタ・ヤコブソンさんロッタ・ヤコブソンさん

スウェーデン、イェーテボリのボルボ・カーズ・セーフティセンターのシニアテクニカルリーダーであり、交通安全学の博士でもあるロッタ・ヤコブソン(Lotta Jakobsson)さんは、チャイルドシートについてさまざまな情報発信を行っています。

その中でも、特に後ろ向きチャイルドシートは幼い子どもにとって重要だと述べています。

そもそも、チャイルドシートはなぜ必要なのか、そしてなぜ後ろ向きに設置する必要があるのかを確認しておきましょう。

「後ろ向きチャイルドシート」は衝撃を分散させ負傷リスクを大幅に下げる

前向きと後ろ向きチャイルドシートの違い

チャイルドシートには、衝突事故発生時に子どもの身体にかかる衝撃を比較的強靭な部位へ、最善の形で分散させるという役目がありますが、後ろ向きのチャイルドシートは、車が衝突したときの負傷リスクを大幅に下げるので、激しい正面衝突があった場合などは、生死を分ける要因にもなるといいます。

正面衝突の場合、前方を向いて座っているドライバーや同乗者の頭部は非常に大きな力で前方へ投げ出されます。その頭をつなぎとめているのが首ですが、大人の首はその衝撃に耐えられる力を持っています。

しかし、幼い子どもの首では耐えることができません。

後ろ向きチャイルドシートなら、その力は子どもの背中全体と頭部という広い面積に分散することができます。一般的に、後部追突事故では、身体が受ける衝撃はそれほど強くないのだそうです。

「後ろ向きチャイルドシートはできるだけ長く」が理想の理由

ボルボでは、後ろ向きチャイルドシートをなるべく長く、少なくとも子どもが4歳になるまで使用するよう推奨しています。

なぜ後ろ向きチャイルドシートは、なるべく長く使用する必要があるのでしょうか?

軟骨部は徐々に骨化する

新生児の頸椎は、骨と骨の間を軟骨がつなぐ形になっており、まだ骨格が固まっておらず、この軟骨部は、生後3年をかけて徐々に骨化します。そのため、子どもが十分成長するまでは、進行方向とは逆を向いて座らせるのが基本なのだといいます。

ボルボ・カーズ・セーフティセンターには、自動車における子どもの安全性に関して50年以上もの経験があり、そうした経験を踏まえ、子どもは後ろ向きで保護するのが一番適切だということがわかっているといいます。

「4歳まで」は目安。子どもの身体や発達に合わせ、できるだけ長く使用するのを推奨

後ろ向きチャイルドシート使用の推奨年齢は、国によって違いがあり、スウェーデンでは「4歳までが基本」という考え方が浸透しています。

ただし、「4歳」と言った場合、実際には子どもたちはひとりひとり異なるという意味での幅を持たせているといいます。身長も違えば、身体の部位の配置も違い、頭の大きさも違うため、4歳と言ってもある程度の幅があります。

つまり後ろ向きチャイルドシートは、年齢に限らず、子どもの身体や発達に合わせ、できるだけ長く使うことが、子どもを守る最善の方法であるということです。

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