金魚のフンのようにトイレまで付いてくる我が子、公園に連れて行ってもママの服をギュッと握りしめ、なかなか友達の輪に入ろうとしない我が子。

将来、ずっとこんな甘えっ子のままだったら……と心配になってきませんか?

『1人でできる子になる 「テキトー母さん流」 子育てのコツ』の著者の立石美津子がお話します。

実は甘えっこは甘える子にはなりません。反対に幼い頃、甘えられなかった子が甘えっ子になる可能性は大いにあります。

しかも、大きくなって親に対して「ママ~ママ~」という形での甘えん坊になるのではなく、友人、同僚、恋人に対して“困った行為も含めて何とか相手の気を引こうとする人”になってしまうことがあります。

人間は生まれた瞬間から甘えっ子!?

ライオンやキリンなど動物の子どもは生後間もなく立つことができ、早く成長します。

それに比べて人間の子どもは無防備な状態で生まれてきます。ヒトの子は平均値ですが、生後1年で立つこと、そして歩くことがやっと出来るようになります。

これをスイスの生物学者のポルトマンが “生理的早産”と呼んでいます。世話をしてやらないと生きてはいけないのが人間なのです。

さて、母親の胎内から出た瞬間、この世に無防備な状態のまま放り出される子ども。そんな時、赤ちゃんは自分が不快な状態であることを自ら取り除くことは出来ないので、周りに次のような行動をして訴えます。

  • お腹が空いたら泣く
  • オムツが濡れたら泣く
  • 眠くてもすんなり寝られないと泣く
  • 暑いときも寒いときも泣く
  • 痛い、辛い、だるいなど体調が悪ければ泣く

そうしてギャーギャー泣くと、親が「よし、よしオムツ替えてあげるね」「ミルクを飲もうね」と世話をしてくれます。

そんな体験を通して「外界へ積極的に働きかけたら、自分の不快感を取り除いてもらえる、助けてもらえる」ことを次第に学習していきます。

更に自分が受け入れられた経験で「この世は安心、安全である」と感じ、次第に未知の世界にも出ていくことが出来ます。これが親離れですね。