不登校は、子どもから親たちへのメッセージ

高橋さんは、子どもを心配するあまり、過干渉になってしまう日本の親たちの心理には、戦中、戦後を必死で生き抜いてきた祖父母や父母の世代から受け継いできた「頑張れなかったら負け」という強迫観念があると考えているそうです。

高橋「でも、今や衣食住が余っていて、発想次第で自由に生きることが可能な時代。実際、元不登校で活躍している人も出てきていますし、小中高と行かなかったけれど、大学には行ったという人もいます。

学校に行かなくても生きていけるんです。

増え続ける不登校という現象は、子どもたちが強迫観念にかられて生きる親世代に『そんな生き方、おかしいよ!』と異議申し立てをしているのではないかと感じています」

子どもが不登校になると、子どもの将来が真っ暗になったように感じるママもいるかもしれませんが、決してそんなことはないのですね。

「むしろ『我が子を勝ち組にせねば』という思い込みを捨てて、子どもの個性をそのまま受け入れられるようになることで、親も子どもももっとラクになるし、幸せになれるはず」と高橋さんは訴えます。

今回、子どもが不登校になる要因の一つとして挙がった「過干渉」は、親であれば誰もがついしてしまいがちなことでもあります。

たとえ強い口調で指示や命令をしていなくても、穏やかな言葉や何気ない言動で子どもに干渉している場合もあり、自分ではなかなか気づきにくいものです。

過干渉をはじめ、自分目線の言動が多く、子どもの気持ちを思いやれない親のことを、一般的に「毒親」「毒母」と呼ぶことがありますが、高橋さんは著書の中で、毒母を客観的にタイプ分けして分析しています。

もし自分が知らず知らずのうちに毒母になっていないか気になったら、高橋さんの著書『お母さん、私を自由にして!』や、ハピママ*の記事『実は「隠れ毒母」!? カウンセラーが教える見分け方&グチ攻撃から逃れる方法』も参考にしてみてください。

取材協力:高橋リエ
母娘*謎解きカウンセラー。都内メンタルクリニック勤務を経て、2012年より、機能不全家族で育った女性たち向けにカウンセリングサロンをスタート。

「無意識の思い込み」に気づき「本当の自分」に目覚める「自分再生*リバースカウンセリング」を軸に、サロンのほか、ワークショップや各種講座を主催。無料メルマガ「母と娘の心の謎を解くメールカウンセリング」の会員は海外まで広がり、3年で5,000名を超える。

京都在住ライター。私大文学部を卒業し、会社勤めを経てフリーライターに。東京都内で活動した後に、京都市左京区に引っ越し出産。その後は京都で子育てをしながらライター業を続ける。インタビュー・取材記事をはじめ、カルチャー、ヘルスケア、生活などのジャンルで幅広く執筆。