目が疲れる、目が乾く、視力が悪くなった気がする、近くのものが見えにくいなどの悩みはありませんか?

対策は目の筋肉をほぐし、血行をよくしてピント調整機能をUPすること。

ドライアイなども改善するという目の簡単トレーニング法を、眼科専門医の林田康隆先生に伺いました。

パソコンやスマホの使用でこんな目の悩みありませんか?

毎日、パソコンやスマートフォンを長時間使用するのが当たり前という人は、「目が疲れやすい」「目が乾いて不快に感じる」「近くのものが見えにくい」などの目の悩みを一度は感じたことがあるのでは?

ベストセラー『1日1分見るだけで目がよくなる28のすごい写真』の著者で眼科専門医の林田康隆先生によると、現代人は太古の人たちと比べて、目の使い方に次のような違いがあるそうです。

現代人の目の使い方の特徴

目の動きやピント調節が単調

林田康隆先生(以下、林田)「人類はかつて狩猟などの食糧獲得や敵から逃れるなど、生き抜くために、遠くのものを目でしっかりと認識することが重要でした。それと比べて現代人は、日々多様な情報を処理しているとはいえ、目の動きやピント調節に関してはまったく単調になっています。

これでは目を動かす筋肉やピント調節の筋肉が『運動不足』の状態。近視人口の爆発的増加や若年からの老眼症状などのさまざまな問題につながります」

まばたきが浅く少ない

林田「パソコンやスマートフォンを凝視することが多い現代人は、まばたきまで浅く少なくなっています。人は1分間に20回程度のまばたきを無意識に行っていますが、集中するとその数が減り、読書中や自動車の運転中は3分の1、パソコン作業や電車内でスマホゲームをするときは4分の1にまで減少するといわれています。

まばたきが減ると、目が乾いて不快感や疲労感につながるだけでなく、外からの光をなめらかに反射できなくなり、はっきり見えなくなることもあります」

今すぐトライ!目のお手軽セルフトレーニング3つ

そこで目の悩みを少しでも軽減させるためのトレーニング方法を、林田先生に教えてもらいました。

どれも仕事や家事のすき間時間に手軽にできるものばかり! ぜひ覚えて気づいたときに行ってみましょう。

1. 遠近トレーニング

林田「遠近トレーニングは、目のピント調整機能をきたえるのですが、調節の要である毛様体筋(もうようたいきん)と水晶体(すいしょうたい)を同時にストレッチもするトレーニングです。

水晶体とは、いわゆるカメラでいうところのレンズ。この水晶体の厚みをコントロールしてピントを調節しているのが『毛様体筋』という眼の中の筋肉です。『チン氏帯』という水晶体を支える組織を介して行っています。目の不調は、この毛様体筋のコリも大きな原因です。

コリは、近くのものと遠くのものを交互に見ることでほぐすことができます

©オガワナホ

(1)片手をまっすぐ伸ばし、親指を立てる。

(2)親指の爪先【A】を1秒間じっと見る。

(3)次に目から3~5m離れたところの対象物【B】(例えば家具や壁のポスターや絵画など)を1秒間じっと見つめる。

(4)2と3を30回繰り返す。