また、ペンやメモ帳を始めとする仕事に必要な道具・文房具も、ストックを増やしすぎず、「どこに、何が、いくつあるか」を把握できる分だけ持つようにすることも重要。「いずれ使うもの」は、デスク上には不要と判断した方がよさそうだ。

そして、いざ整理に取りかかる上でネックになるのが、やはり「書類」の扱い。「捨てる/残す」をなんとなく決めていると、気づけば書類の山ができて しまう。書類の整理は情報の整理であり、「それがうまくできなければ情報の波に翻弄され、仕事もうまくいかなくなる」と小野さんは言う。

「会社全体で保有する書類のうち、オフィスで管理すべきなのはおよそ30%、書庫室で保存すべきなのは20%。つまり、捨てても構わない書類が半分 を占めているというデータもあります。会社全体の整理を行うと、ひとりあたり100キログラム以上の不要文書が出てくるケースもあるんです。書類が多いほど、情 報を探す時間、収納スペースなど、さまざまなコストが増加していきます。まずは明らかに不要な書類を処分するところから始めましょう」

オフィス内、あるいは個人のファイルの中に同じものがある「ダブリ書類」、読み終わった新聞・雑誌、年賀状やDM、各種あいさつ状に開催日の過ぎた展示会の案内などの「郵便物や雑誌類」は、すぐにでも処分できるはずだ。

「大切なのは、『整理』と『整頓』の意味を理解し、意識的に行うことです。『整理』は不要なモノを取り除く、つまり思い切って捨てること。『整頓』 は、必要なモノを適切な場所に配置し、使いやすく、探しやすい状態にすること。そのどちらが欠けても、結局デスクの上は散らかってしまいます」

デスクの整理・整頓は、自分の仕事内容や業務に対する姿勢と向き合うことでもある。常にデスクが整然とシンプルな状態であれば、頭の中もスマートに なりそうだ。

デスク整理のポイント「5S」

1.SEIRI[整理]⇒要不要を区別し、不要なものは思い切って捨てる

2.SEITON[整頓]⇒書類や道具を使いやすく、探しやすいように表示し配置する

3.SEISOU[清掃]⇒整理・整頓がなされることで、スムーズに清掃することが可能に

4.SEIKETSU[清潔]⇒整理・整頓によりオフィス環境が清潔になる

5.SHITSUKE[しつけ]⇒この流れを習慣化し、清潔な状態を維持していく

この「5S」が行き届くと…

 

某企業の社長室。多忙のため資料で溢れかえっていたが、小野さんの指導により「5S」が徹底され、散らからないデスクになった。不要なものを処分したことで、棚の中身もスマートになっていることに注目したい。