ドラマとバラエティ番組の相乗効果によって、一躍スターダムに!
では他のメンバーはブレイクに貢献していないのかというと、全くもってそうではない。櫻井翔は'06年よりMC、キャスターとしてテレビに出続けた。それまでにもスポーツキャスターやリポーターに抜擢されるジャニーズのタレントはいたが、長期にわたって本格的な報道キャスターの座を務めている者は彼が初めてだ。その誠実な仕事ぶりは世の働く男性、それも年輩者を含んだ男性という、ジャニーズの弱点にあたる層にアピールするのにこの上なく効果的だった。
そして大野智、相葉雅紀が出色のセンスを発揮したのがバラエティ。冠番組『嵐の宿題くん』('06~)は今回の投票結果を見れば歴然、断トツで支持を浴びている。'02年から深夜番組『Cの嵐!』『Dの嵐!』『Gの嵐!』で培ってきたバラエティ力を結集し、笑えるチープ感は残しつつも24時台らしいポップなパッケージに仕上げたことが功を奏した。放送期間も'06年~'10年の3年半と比較的長く、この時期が即ち嵐のブレイク第二期を完全にカバーしている。
同じ頃'05年~'07年に放送された『まごまご嵐』も、関東ローカルながら2位につける大健闘。『宿題くん』シリーズがシュールで前衛的な嵐に焦点を当てたものなら、こちらは嵐の人柄の良さをしっかりと伝えるほのぼの系ロケ番組。ロケ先のおばあさんの家で本気で昼寝してしまったり、おじいさんの情熱に打たれたあまり台本を無視しその場で企画のシリーズ化を立ち上げたりと、メンバーの飾らぬ人間性はファミリー層にも響きうるという嵐の可能性をまたひとつ開いた。