この値段ではありえない肉質、その秘密とは
「熊本の天草で天草黒毛和牛を家族で飼育する会社が経営しているので、A5の肉を提供させていただいています」
いまどき、4000円でA5の肉を食べ放題で出してくれる、そんな美味しい話には裏があるに違いない。根掘り葉掘り聞き出した結果、いろいろなことがわかった。
天草でも焼肉屋を営んでいるのだが、その店では最上級の肉だけを供している。当然、店で提供しないA5の肉が出る。「その肉を美味しく、廉価で食べてもらいたい」という気持ちで、この食べ放題の店をオープンしたというのだ。
天草空港からクルマで10分ほどの山の中で天草黒毛和牛を500頭以上大切に育てている。
愛情込めて育てた牛に、最後の花道を飾らせてあげたい。そんな社長の思いもあり、1品目をきれいに盛り付けて出すことにしたのだそうだ。
サシが入り、とろけるような三角バラを食べ終え、食べ放題の肉をオーダーすることにした。
壁に肉のメニューが掛かっている。その中から和牛カルビ、熟成肉、和牛まるチョウを頼んだ。どれをお願いしても1人前4枚程度が皿に盛られてくる。もちろん切りたて。
熟成牛はほぼ日替わりで、今日はもも肉。肉はそれぞれ味付けが異なる。
まるチョウのようなホルモンはあっさりと塩タレで。流石、黒毛和牛のホルモンである。脂が甘くて旨い。しかも脂がくどくない。
カルビはタレ。サシがしっかりと入っているので少量のタレで焼いて食べる。やっぱり焼肉はカルビに限る。
熟成肉は肉の味をしっかりと楽しんでもらいたいという理由でタレなし。塩か、お好みでワサビで賞味する。せっかくなのでワサビを付けてみた。さっぱりとした味わいで旨い。
昔よくお世話になった麻布十番の焼肉屋でこれを食べたら、いったいいくら取られるか。想像するだけで恐ろしい。
肉だけで十分元が取れるはずだが、この店では焼肉食べ放題の〆が用意されている。カレーである。