6月、お祭り酒場のような店が町田にオープンした。「和心皆伝 肉美割烹 かいしん」の、いったいどこがどうお祭り騒ぎなのか。学祭のように盛り上がれる料理がいくつも用意されているというのだ。
その筆頭が、「宇宙盛り」と命名した鶏の唐揚げ。正式名は「メガ鶏のから揚げ 宇宙盛り」(3,480円)。
「フライドポテトとキャベツの千切りの上に、岩手産地鶏2キロ分の唐揚げが盛られています。枚数にすると、14枚から15枚。これをチリソース、ポン酢、タルタルソースで召し上がっていただきます」
と鼻息を荒くするのは、マリオ・サンタさん。この店のフードプロデューサーだ。本名があるらしいが、その風貌がコンピュータゲームのキャラ、マリオに酷似していることから、マリオと改名した。
そのマリオさんが、学生が多い町田で、若い人に喜んでもらえるボリューム感のある鶏のから揚げを発案した。
巨大唐揚げが積み重なる!
3種類のソースが付いているが、ショウガや醤油の風味がきいているので、何も付けずそのまま食べてもかなり旨い。
ちょっと多いかなという向きには、8個入りの「ヒマラヤ盛り」(1,980円)もある。
ヒマラヤがあるならチョモランマも、と勘ぐったが、流石にそれはなかった。けれど、3個の「富士山盛り」(1,380円)も選べるそうだ。
とはいえ、1個のサイズが一般的な唐揚げの数個分。心してかからないと、後でこっぴどい目に遭うに違いない。
もし残ったら、隣テーブルの美女に声をかけ、手伝ってもらう手もある。鶏の唐揚げが縁で、ひょっとすると……。
ネギの中からトロトロのチャーシュー!
中には首をかしげたくなるネーミングの料理もある。その名も「ねぎまみれ厚チャーシュー」(880円)。
泥まみれ、汗まみれ、借金まみれ。“まみれ”という言葉は、本来あまりいい言葉ではない。ところが、厚切りチャーシューがネギにまみれ、しかもその上にチャーシューのタレとマヨネーズがかかると、得も言われぬ美味に豹変。
タコ糸を巻いた豚肉を自家製タレで8時間炊いたチャーシューはトッロトロ。泥にも借金にもまみれたくないが、ネギにまみれたチャーシューなら大歓迎。
一皿に厚切りチャーシューが2枚盛られている。分前が少ないと争いの原因になりかねない。
一触即発で喧嘩が勃発。皿を投げ合おうものなら、タレまみれ。この料理は、人数分オーダーすることをおすすめする。