石上のエピソードが描かれることにプレッシャーもありました

撮影:小嶋文子

――続編では前作以上に石上がフィーチャーされる場面が増えました。その点についてはどう思いましたか?

原作で、僕が石上のシーンの中で一番好きなところも描かれていたので嬉しかったんですけど、正直、ちょっとプレッシャーもありました。前作では見せていなかった部分も見せなきゃいけなかったので。

――前作では原作を読み込んでキャラクターを作ったとおっしゃっていましたが、今回はそこから変化もあるということで、どのように作っていきましたか?

前作の10倍くらい原作を読み込みました。特に、中学生のときのシーンもあったので、その辺は難しかったです。

ある事件をきっかけに石上は今の容姿になるので、中学生のときは普通の感じだったんですよ。だから、そのときの石上から、今の石上に自然とつながっていくようにしないと、観ている人も気持ち悪いだろうな、と思ったし。

ⓒ2021映画『かぐや様は告らせたい ファイナル』製作委員会 ⓒ赤坂アカ/集英社
ⓒ2021映画『かぐや様は告らせたい ファイナル』製作委員会 ⓒ赤坂アカ/集英社

――中学生のときと今があまりに違い過ぎてもダメですしね。

そうなんです。あの辺りのシーンはすごく悩みましたし、監督とも相談しながら大切に芝居をつくっていきました。

――逆に変化後の、前作から続く石上のキャラクターは、一度作り上げていますし、スムーズにできましたか?

コミカルなシーンは、いつも通り、って感じだったんですけど、今回は、シリアスなシーンも多かったので、そこはまた苦労しました。ただ一度やっているキャラクターではあるので、全体的にすごく悩むことはなかったです。

撮影:小嶋文子

――前作では河合勇人監督と相談をしながらキャラクターを作ったともおっしゃっていたのですが、今回もその変化については監督と話し合いをしましたか?

前回は初めて石上というキャラクターを作るというところで、監督と僕が思っているものが結構食い違っていたりもして、そこをかみ合わせる作業が大変だったんですけど、今回は一度作ったものがあるから、逆に監督とはほとんど役について話すことはなかったです。世間話ばかりしてました(笑)。

石上のお芝居に関しては「自由にやっていいよ」という感じでした。ただコミカルなシーンでやり過ぎると「一旦、そこで止めようか」とかは言われていましたけど(笑)。

――前作と今作との間に、(佐野が主演を務めた)ドラマ『FAKE MOTION –卓球の王将-』でもご一緒していましたね。佐野さんを信頼しているんでしょうね。

でも、僕の中では『FAKE MOTION~』もかなり前にやったイメージだったので、それこそ監督とはご一緒するのがかなり久しぶりという感覚がありました。