“人を楽しませる”“人を喜ばせる”ことを大事にしたい

撮影:小嶋文子

――前作の際にインタビューをさせてもらったときに、佐野さんは今後やりたいこととして、英語の勉強と、医療ものの作品に出演したい、というお話をしていて。

うわっ、すごっ。

――そうなんです。両方とも今、有言実行されているんです。これ以外に何かこの2年の間にご自身の中で変わったことはありますか?

正直、2年前の自分がどうだったかをはっきり覚えてはいないですけど、芯の部分は変わっていないと思うんです。それはデビュー当時から。

でもお芝居に限らず、もっと大きな部分の人間力のようなものを鍛えたい、と思って、ここ数年、そこを意識はしているので、少しは変わっていたらいいな、と思いますね。

ⓒ2021映画『かぐや様は告らせたい ファイナル』製作委員会 ⓒ赤坂アカ/集英社
ⓒ2021映画『かぐや様は告らせたい ファイナル』製作委員会 ⓒ赤坂アカ/集英社

――人間力を意識するようになる何かきっかけがあったのでしょうか?

以前から意識はしていたんですけど、特にコロナの自粛期間のときが大きかったですね。(出演するはずの)作品が飛んだりもして、約2ヵ月間、休みになってしまったときに、本を読んだり、いろんな情報をネットで調べたりもして。

そのときに、人が死ぬときに人生の中で後悔することは何か、というのを見ていたら、やっぱり周りの人を大切にしておけば良かった、とか、もっと優しくしておけば良かった、というのがほとんどだったんですね。だったらそれを20代のうちからやることができたら、死ぬときに後悔しないだろうな、と思って。

あと、最近思うのは、人生で「成功したい」と考える人は多いと思うんですけど、実際に成功している人って、より多くの人を喜ばせている人だと思うんです。例えば、スティーブ・ジョブズさんにしても、みんなが喜ぶものを作ったから、成功者と呼ばれていると思うし、芸能界のスターと呼ばれる方々もみんなを喜ばせているからスターなわけであって。

だから“人を楽しませる”“人を喜ばせる”というのは、自分の中で大事にしておきたいな、と思います。

撮影:小嶋文子

――それを踏まえて、せっかくなのでここから2年後までに有言実行したいことを。

まず個人のことで言うと、アカデミー賞は獲りたいです。形がほしくてやっているわけじゃないですけど、役者をやっている上で、そういう賞を一個いただけたら純粋に嬉しいな、と。狙っていくわけじゃなくて、結果としてもらえたらいいですね。あとは、海外にも同時配信されるようなオリジナル作品に出てみたいです。

――世界中の人に観てもらえる作品に出てみたい、ということですよね。

はい。英語の勉強を毎日するっていうのをもう半年以上続けているんですけど、それには海外の監督とコミュニケーションを取れるように、という想いもあって。海外で作品を撮れたりしたらいいですね。


“人を楽しませる”“人を喜ばせる”ことを大事にしたいという佐野さん。その言葉通り、2年前も今回も、佐野さんの取材は楽しい現場となりました。

実は取材中、隣の部屋で別の取材を終えた平野さんが顔をのぞかせる瞬間が。満面の笑みで「おはよう」と声をかけたと思ったら、「バイバイ~勇斗!」とすぐに立ち去る平野さんに、佐野さんが「あとで一緒でしょう!」とツッコむというやり取りが(笑)。

こんな2人の仲の良さも劇中から感じられる映画『かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~ ファイナル』をお楽しみに。

作品紹介

映画『かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~ ファイナル』
2021年8月20日(金)全国ロードショー